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――量子技術のサイバーセキュリティへの応用として期待――
玉川大学量子情報科学研究所は,世界最高速の50Gbit/sで予測不可能な乱数を発生する量子乱数発生器の実証に成功した.真にランダムな性質をもつ真空場揺らぎを高速かつ並列に測定し,乱数を抽出することで,これまでにない高速の乱数発生を実現した.近年注目を集めている量子技術の有望な応用であり,サイバーセキュリティを中心に様々な用途への活用が期待できる.
乱数は,サイバーセキュリティ,シミュレーション,エンターテインメントなど様々な分野で利用されている.擬似乱数と異なる真に予測不可能な乱数は,特にサイバーセキュリティ応用では重要であり,ランダムな物理現象を利用するハードウェア型の物理乱数発生器によって生成される.近年,量子力学によりランダム性が担保された現象を用いて乱数を生成する量子乱数発生が,質の良い乱数を発生する方法として注目されている.高速通信のセキュリティへの応用や,集中的に乱数を生成し配布するクラウド的利用においては,予測不可能であることに加えて高速性が求められる.高速の量子乱数発生を実現する技術として,レーザ光を使って測定した真空場揺らぎを乱数発生源として用いる方法がある.これまでの最高生成速度は18.8Gbit/sであった.
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