特集 モビリティの最新技術と今後の展望 特集編集にあたって

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Vol.107 No.11 (2024/11) 目次へ

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特集 モビリティの最新技術と今後の展望

特集編集にあたって

編集チームリーダー 開 達郎

 自動車に代表されるモビリティ産業は我が国を支える基幹産業と言える.近年ではドローンや空飛ぶ車など新しいモビリティの形態が次々と報告されており,これまでにない新たな市場,サービスの開拓が積極的に取り組まれている.特に自動運転技術をベースとする自律型モビリティは,ヒューマンエラーによる交通事故の防止や人手不足に伴う移動手段・物流の確保など,様々な社会問題を解決するソリューションとして期待されている.このような最先端モビリティの実現のために必要となる技術は多岐にわたり,車載ネットワーク技術,障害物などを検知するためのセンサ技術,制御系に必須となるパワー半導体技術など,本会になじみ深い技術が多数含まれる.これらの技術に対する理解を深めることは,本会における今後の研究活動の一助となると考えられる.

 そこで,本特集では次世代モビリティの実現に向けた各種技術に焦点を当て,それらの最新動向を専門家の方々に御解説頂く.また,自動車以外の新たなモビリティへの展開に取り組まれている方々に最新動向や今後の展望を御紹介頂く.

 第1章では,東京工業大学(現東京科学大学)の阪口様らから,自動運転車を活用したスマートモビリティの最新動向を御解説頂き,安心,安全なまちづくりに向けた将来展望について御議論頂く.

 第2章では,(株)NTTデータの千葉様らから,コネクティッドカーの技術課題や最新動向について御解説頂き,近年取り組まれてきた実証実験の内容を御紹介頂く.

 第3章では車載通信技術に焦点を当て,名古屋工業大学の菅野様から車載ネットワークの構成及び車載通信用部品の特徴や課題について御解説頂く.また,JASPARの山﨑様から車載イーサネットの機能安全と通信品質保証について御紹介頂く.

 第4章では,自動運転を支えるセンサ技術に注目し,東北大学の田中様から加速度センサなどに用いられるMEMS技術を御解説頂く.また,慶應義塾大学の吉岡様から距離センサなどに用いられるライダ技術を御解説頂く.

 第5章では,モビリティの制御に求められる電子デバイス技術として,三菱電機株式会社の野口様からSiCパワー半導体デバイスの最新動向を御紹介頂く.また,佐賀大学の平山様らからパワー半導体の高周波数化と高出力化を可能とするダイヤモンド半導体デバイスの最新の研究動向を御解説頂く.

 第6章では,電気自動車への給電技術に注目し,東京大学の清水様らから走行中の無線給電技術について御解説頂く.

 第7章では,自動車以外の新しいモビリティへの展開として,テトラ・アビエーション株式会社の中井様から空飛ぶ車と呼ばれる「eVTOL」を御紹介頂く.また,(株)メルカリの山村様らから柔軟で持ち運びが容易なモビリティとして注目される「poimo」を御紹介頂く.

 最後に御多忙な中執筆に御協力頂いた著者の皆様に深く感謝致します.また,本特集の企画,提案に御協力頂いた本会会誌編集委員会ワーキンググループCの皆様にはこの場を借りまして感謝申し上げます.

特集編集チーム

 開  達郎   松久 直司   板谷 太郎   秋田 純一   荒生  肇   大島 大輔   大寺 康夫   小寺 哲夫   佐道 泰造   高野 恭弥   辻󠄀  寧英   萩原 達也   藤井  剛   古谷 彰教   松田 信幸 


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