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7. モビリティの新展開
7-2
パーソナルインフレータブルモビリティpoimo
Personal Inflatable Mobility poimo
近年,都市部を中心とした移動手段の一つとしてパーソナルモビリティが注目されているが,乗り心地,安全性,収納性,カスタマイズ性,操作性などに課題がある.筆者らは,この問題に対し,インフレータブル構造を採用したパーソナルモビリティ「poimo」を開発し,柔軟で持ち運びが容易な乗り物を提供することで,環境負荷を軽減し,誰もが利用しやすいインクルーシブな移動手段を実現しようとしている.本稿ではこれまでのpoimoの研究開発の取組みを紹介するとともにインクルーシブな社会の実現に残された課題を共有する.
キーワード:パーソナルモビリティ,インフレータブル,ソフトロボット,自律走行
近年,街の中を颯爽と駆け抜ける電動キックボード,飲食店で給仕を手伝う自動搬送ロボット,デザイン性に優れた電動車椅子など,超小形の新しいモビリティを目にすることも珍しくなくなった.これらは「パーソナルモビリティ」と呼ばれ,個人での利用が進んでおり,現在各地での利用や実証実験が進められているが,乗り心地,安全性,収納性,カスタマイズ性,操作性など,更なる改善の余地が指摘されている.
筆者らはpoimoと呼ばれるインフレータブル構造(用語)のパーソナルモビリティを開発した(図1).poimoはドロップステッチ構造(用語)を用いたバルーン構造を用いることで,非使用時には薄く折り畳むことができるのが最大の特徴である.スクータ型やスポーツバイク型,車椅子といった形状がそれぞれ実現でき,個々のユーザのニーズに合わせてカスタマイズとオーダメイドも可能である.これまでに展示会などで多くの人に体験してもらい,形状バリエーションの実現可能性や操縦の新しい形式を探ることができた.体験を通じて得たフィードバックには,新しい形のパーソナルモビリティへの期待と課題も多く含まれている.
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