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Vol.107 No.2 (2024/2) 目次へ

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 * 自動化というと,本小特集の自動運転技術のように先端技術のイメージがありますが,他の誰かがやる仕組みとして,科学技術のみならず,経済や制度,国家を含めて,人類が長い時間をかけて作り上げた“自動化”もあるかと思います.“自動化”が高度になると,個々人は自身が受ける“もの/こと”の理解はできても,それが提供される前提や過程は把握が難しくなります.それゆえ“自動化”の根幹はその信用や信頼が担っている,とも言えるかと思います.

 * 一方,信用取引やトレーサビリティにブロックチェーンやNFTなどのディジタル技術が使われ,信用や信頼も,経済の文脈で注目されることが多くなりました.そんな中で,私たちは,“もの”や情報,権利などと同様に,信用や信頼も経済原理に委ねて無駄を省けば良くなっていくと暗に期待していないでしょうか.しかし,宝石に違う宝石の鑑定書を付けても真の価値が変わるわけではないように,信用や信頼は流通や取引されるものでなく経済の外側からもたらされるものではないでしょうか.自動運転では安心・安全が分かりやすい形で問われますが,システムの高度化やグローバル化,生成AIの発達はそれ以外の“自動化”されたものについてもこれまで以上に信用や信頼をどう作り上げていくかを私たちに問いかけているように思います.

 * ところで,信用と信頼の違いはなんでしょうか?いろいろな定義があるようですが,私には,信用はリスクも含めて手段として用いられ,信頼は信用を確かなものとしてより一段高い関係性を構築し得ること,という定義がしっくりきます.本会のように学術の英知を集め世の中に広めていこうとする人たちが集まっている組織が起点となって信頼が多く生み出されて,経済原理に任せた効率化によってではなく,一段高い関係性の中から社会に豊かさがもたらされることを期待したいと改めて思いました.

(編集理事 橋本俊和) 

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