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2024年ソサイエティ大会企画セッション「『動く』Beyond 5G/6G」開催報告

Report on Planning Session “‘Moving’ Beyond 5G/6G” of Conference Committee for the 2024 IEICE Society Conference

福井大学 橘 拓至
日本電信電話株式会社 松井健一
日本工業大学 伊藤暢彦

1.は じ め に

 通信ソサイエティでは,2024年ソサイエティ大会の大会委員会企画として,2024年9月11日(水)に「『動く』Beyond 5G/6G」セッションを開催した.本セッションは,日本工業大学LCセンター図書館マルチメディア教室において,多数の参加者を集めてパネル討論と5件の講演が行われた.開会の挨拶では,通信ソサイエティ会長の中尾彰宏氏(東京大学)から本セッションの開催趣旨が説明され,閉会の挨拶では次期会長の眞田幸俊氏(慶應義塾大学)から本セッションの講演者及び聴講者に対する感謝の意と,今後の展開についての期待が述べられた.

 以下では,本企画セッションの開催趣旨を示し,それからパネル討論と各講演の概要を紹介して,本セッションの開催報告としてまとめる.

2.開 催 趣 旨

 本セッションは,5Gから6Gへの折返し地点である2025年に向けて,Beyond 5G/6Gに対するこれまでの様々な取組み・成果を紹介することを目的として,通信ソサイエティが中心となって企画された.また,学会と行政とのつながり強化に向けて,ICT分野における高度研究人材の育成支援に関するパネル討論も企画された.

 本セッションの大きな特徴として,Beyond 5G/6Gに対する取組み・成果を聴講者が実際に目で見て耳で聞いて体験できるように,全ての講演が新たな発表形式である「デモンストレーションを伴うプレゼンテーション(デモンストレーション講演)」によって行われた.

3.開 催 報 告

 以下では,本企画セッションで実施されたパネル討論と5件の講演について概要を紹介する.

3.1 パネル討論

 パネル討論は,通信ソサイエティ会長である中尾彰宏氏(東京大学)がモデレータ,高橋徹氏(三菱電機)が座長を務め,パネリストとして文部科学省研究振興局参事官(情報担当)の国分政秀氏と総務省国際戦略局技術政策課長の松井正幸氏が参加して行われた(図1).

図1 学会と行政とのつながり強化に向けたパネル討論(左から,松井氏,国分氏,中尾氏,高橋氏(座長))

 パネル討論に先立ち,国分氏から「文部科学省における情報通信分野の人材育成に関する取組」が紹介され,ICT分野の研究開発への投資,及び研究開発人材の育成が必要であるとの政府としての考えが示された.更に,国内の情報通信技術の強化を目指して今年度から応募が開始された情報通信科学・イノベーション基盤創出(CRONOS)に関する概要説明があり,情報通信科学の常識を変えるビジョンを有し社会問題に対して大きなインパクトをもたらす挑戦的な研究開発に対する期待が述べられた.次に,松井氏から「社会実装や海外展開を見据えた研究開発等の取組―Beyond 5G基金事業―」の説明があり,2030年代のAI社会を支えるディジタルインフラ像を踏まえて,三つの戦略分野であるオール光ネットワーク,非地上系ネットワーク,無線アクセスネットワークに対する支援を含めた今後の戦略が示された.特に,革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業において,Beyond 5Gの重点技術に対する研究開発・国際標準化を支援するとの説明がなされた.


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