解説 ミリ波レーダイメージングによるドローンの検知識別技術

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 解説 

ミリ波レーダイメージングによるドローンの検知識別技術

Drone Detection and Classification Technique Using Millimeter Wave Radar Imaging

中村僚兵 小川拳史

中村僚兵 正員 防衛大学校理工学研究科

小川拳史 防衛大学校理工学研究科

Ryohei NAKAMURA, Member and Kenshi OGAWA, Nonmember (Graduate School of Science and Engineering, National Defense Academy of Japan, Yokosuka-shi, 239-8686, Japan)

電子情報通信学会誌 Vol.108 No.12 pp.1194-1199 2025年12月

©2025 電子情報通信学会

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 ドローンの社会実装が進む一方で,犯罪やテロにも利用されていることから,ドローン検知システムの実現が喫緊の課題となっている.筆者らは,これまでにミリ波レーダによるドローンの検知識別について各種検討を実施している.本稿では,ドローンの様々な構成部品から反射する散乱波を二次元マッピングすることでドローンのサイズや形状などの詳細なプロファイルを二次元画像化する手法であるレーダイメージングを行い,得られたレーダ画像を特徴量とした畳込みニューラルネットワークを用いた識別手法により,ドローンを検知識別する技術について解説する.

キーワード:ドローン,ミリ波レーダ,逆合成開口,畳込みニューラルネットワーク,識別

1.は じ め に

 近年,ドローンと呼ばれる小形無人機の社会実装は急速に広がっており,様々な分野で広く活躍している.しかしながら,ドローンが犯罪やテロに用いられることが多数発生しており,ドローンを早期に検知識別し,対処するアンチドローンシステムの実現が喫緊の課題となっている(1).ドローンを検知識別するために様々なセンサを用いたシステムが研究開発されている.代表的なセンサとして画像センサ,集音センサ(プロペラ音を検知),操縦信号探知センサ,レーダなどがある.その中でもレーダは電波を用いるため全天候性であり,気象等の外乱の影響を受けづらいことから有効な技術の一つとして注目を集めている(2).筆者らはこれまでに,距離分解能(用語)に優れたミリ波レーダを用いたドローンの検知識別技術に関して各種検討を実施してきた(3)(6).レーダを用いて監視領域に存在する対象の画像を生成することをレーダイメージングと呼び,これにより遠方の物体を電波で撮影した画像(レーダ画像)として可視化できる.

 本稿では,逆合成開口レーダ(ISAR: Inverse Synthetic Aperture Radar)と呼ばれる信号処理を用いたレーダイメージングにより,ドローンの様々な構成部品から反射する散乱波を二次元マッピングすることでドローンのサイズや形状などの詳細なプロファイルを画像化する手法について解説する.更に,得られたレーダ画像を特徴量とした畳込みニューラルネットワーク(CNN: Convolutional Neural Network)を用いてドローンの機種を識別する手法についても解説する.

2.レーダを用いたドローンの検知識別

2.1 ドローンの検知識別技術の現状

 レーダを用いたドローン検知に関して多くの研究がなされている(7)(12).例えば,文献(7),(8)では,ドローンのプロペラの回転から発生する微小なドップラーシフト(マイクロドップラー)からドローンを検知できることが示されている.文献(9),(10)では,様々なドローンのレーダ反射断面積(RCS: Radar Cross Section)(用語)が明らかにされ,RCSがドローン検知の有益な情報となることが報告されている.しかしながら,マイクロドップラーやRCSはドローンの機種によって異なるため,これらの手法のみでは自作ドローンのような未知のドローンを検知することは難しい.文献(5),(11),(12)では,ISARを用いたレーダイメージングによって,ドローンのサイズや形状の情報を含む高分解能なレーダ画像を生成できることが示されている.対象が未知のドローンであっても,レーダ画像からそのサイズや形状を推定し,ドローンであるかどうかを視覚的に判別することが可能である.


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