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ネットワークの数理モデル
小特集 2.
ネットワーク自動化に向けた人工知能技術の信頼性向上への取組み
Trustworthy Artificial Intelligence for Network Automation
Abstract
通信ネットワークへの需要はより高度化・多様化しており,その運用と管理を自動化する取組みが進んでいる.特に,ネットワーク状態の観測,分析,サービスの最適化というサイクルを,著しい進展が見られる人工知能によって実現しようとする提案がなされている.一方で,そうした人工知能はブラックボックスモデルであることも多く,分析や最適化の信頼性を保証する方法が課題となっている.本稿では,ネットワーク自動化に向けて提案されているアーキテクチャと,それに関わる人工知能の信頼性保証に関する研究の概観を示す.
キーワード:ネットワーク自動化,人工知能,説明可能性
多様なアプリケーションの普及やデバイス数の増大によって,通信ネットワークへの要求は高度化しており,その傾向は今後も継続していくと考えられる.それに伴い,通信ネットワークの設計・管理・運用も高度化・複雑化している.通信サービスを提供する基盤インフラとしてのネットワークには,高い信頼性が求められる一方で,同時に効率的な資源利用によるコスト・使用エネルギーの削減も求められている.こうした需要から,ネットワークの設計・管理・運用の完全自動化を目指した様々な取組みが行われている.
ネットワーク自動化を目指した枠組みの一つに,ETSI(European Telecommunications Standards Institute)で議論が進められているZero-touch network and Service Management(ZSM)(1)(用語)がある.ZSMは,エンドツーエンドのネットワーク及びサービスの完全自動化を,包括的な目標としたアーキテクチャである.ZSMでは,エンドツーエンドの自動化のために,APIで結合されている階層的な構造を採用している(図1).各ネットワークドメインには,ドメインを管理する機能と,他のドメインとの連携を行うための機能が想定されている.一方で,上位のエンドツーエンドの管理ドメインは,下位の管理機能と連携し,複数のドメインにまたがるサービスの管理を行う.
こうした管理機能は,人間のオペレータの介入をほとんど排除した完全自動に近いものになるため,その多くは人工知能アルゴリズムによって実現されることが期待されている.一般に完全な自動化には,現在のネットワーク状態を監視及び推定し,収集されたデータを分析し,資源及びサービス最適化を行う機能が求められる.近年,この観察・分析・行動のサイクルを構成するネットワーク自動化のための人工知能アルゴリズムが様々提案されている(2).
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