EiC All Sections Meeting(国際セクション全体会議)開催報告――国際セクションとともに描くIEICEのグローバル展開――

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Vol.108 No.6 (2025/6) 目次へ

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All Sections Meeting(国際セクション全体会議)開催報告

――国際セクションとともに描くIEICEのグローバル展開――

All Sections Meeting: IEICE’s Global Development in Collaboration with International Sections

国際委員会幹事 松尾綾子

1.は じ め に

 All Sections Meeting(ASM:国際セクション全体会議)は,本会と海外の国際セクションとの連携を深め,今後のグローバル展開に向けた方針共有と意見交換を目的として毎年開催されています.今年度も,総合大会に合わせて,2025年3月25日(火)9:00~10:30にハイブリッド形式で実施されました.

 対面では,ヨーロッパ,上海,ベトナム,マレーシア,シンガポールの各セクション代表を東京都市大学にお迎えし,本会の国際委員会委員が参加しました.加えて,インドネシア及びインドのセクション代表者がオンラインで参加しました.会議は山中会長の挨拶及び国際委員会のチェアである大橋副会長の挨拶及び現状紹介で開幕しました.

2.国際セクションを取り巻く現状と課題

 本会は,グローバルな学術交流を促進し,国際的な存在感を高めることを目的として,海外に「セクション(支部)」を設置してきました.国際セクションは,現地におけるIEICEの窓口として,また国際連携の拠点として機能してきましたが,近年,その運営や活動継続に様々な課題が顕在化しています.

2.1 設立条件と会員数の減少

 国際セクションの設立要件には,「当該地域に20名以上の本会会員が在籍していること」と定められています.しかし近年,この条件の維持が困難となり,多くの既存セクションの存続が危ぶまれています.実際,海外会員数や海外からの論文投稿数は漸減傾向にあり歯止めがかからない状況です.

2.2 言葉と距離のギャップ
――伝わらない情報,届かない支援――

 本会では現在,論文や各種情報発信の多言語化を積極的に推進しており,海外の会員にもよりアクセスしやすく,魅力ある学会となることを目指しています.

 これまで会員向けのニュースやイベント案内の多くが日本語を中心に発信されてきたため,海外会員にとっては内容が伝わりにくく,情報の受け取りにタイムラグも生じることもあり,「会員であることの魅力が十分に感じられない」という切実な声が寄せられていました.

 また本会が提供する高品質なサービスやコンテンツの多くはこれまで日本語に限定されていたため,非日本語話者にとっては活用が難しい課題もありましたが,現在はこのような状況の改善に向けて,多言語対応の拡充が進められています.

 イベントに関しても日本国内開催が中心であることから,海外からの参加には地理的・時間的な障壁が存在します.更に地理的な距離により物理的な支援や人的なつながりが希薄になり,「困ったときに相談できる窓口がない」「現地イベントに対する本部からの支援が得られない」といった声も寄せられています.こうした課題に対しても,今後は多言語でのサポート体制やオンラインでの接点強化を通じて,海外会員との距離を縮めていく取組みを進めてまいります.


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