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③ 超人スポーツ

──未来をつくる新しい遊びと競技──

Superhuman Sports: The Next-gen Way to Play

安藤良一 南澤孝太

安藤良一 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科

南澤孝太 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科

Ryoichi ANDO and Kouta MINAMIZAWA, Nonmembers (Graduate School of Media Design, Keio University, Tokyo, 105–7508 Japan).

電子情報通信学会誌Vol.109 No.1 pp.20–25 2026年1月

© 2026 電子情報通信学会

1. は じ め に

超人スポーツは,最新のテクノロジーと人間の想像力を融合させ,年齢や性別,障害の有無を超えて誰もが楽しめる新しいスポーツです.

AR/VR,ロボット工学,人間拡張技術を活用することで,参加者は「超人」となり,共に競い合い,観戦者も楽しめる競技環境が生まれます.従来のスポーツでは難しかった多様性や包摂性を実現し,スポーツのみにとどまらない未来の社会生活や表現活動など,様々な応用に向けた新たなスポーツ文化を切り開いています.

2. 超人スポーツとは

みなさんは,どのようなアニメ・漫画のキャラクターを思い浮かべることができますか?

その中には数多くの超人的な技能を持ったキャラクターが存在すると思います.

あまねく人々が描く超人像は,どれほど多様であるか.この多様性こそが,人間の持つ想像力の現れの一つとして考えてみて下さい(図1).

描かれた超人スポーツ像の一例

2013年9月,東京オリンピック・パラリンピック競技大会の2020年開催が決まりました.

私たちは,この機会に乗じて広く世界中に“新たなスポーツを届けよう”と企てました.

それが超人スポーツ(1)の起こりです.

超人スポーツの目的は,文化とテクノロジーを融合させ,人間の能力を拡張・補完しながら,年齢や障害を問わず誰もが楽しめるスポーツを開発することにあります.「AR/VR」「ロボティクス」などの「人間拡張技術」という先端技術を活用し,「人機一体」となった全ての人が“超人”として対等に競技できる環境を構築します.

そのため,超人スポーツには以下三原則があります(図2).

超人スポーツ三原則

・全ての参加者が楽しめること

・技術進歩とともに進化すること

・全ての人が観戦を楽しめること

2011年に日本で施行された「スポーツ基本法」は,誰もが等しくスポーツを享受する権利を明文化しました.超人スポーツプロジェクトはこの精神を更に発展させ,技術の力を介して年齢・性別・障害の有無を問わず「誰もが共にスポーツを楽しむ未来」の実現を理念に掲げています.こうした理念の下,2014年に様々な分野の研究者が連携して超人スポーツ委員会が設立され,後に産官を巻き込む形で2015年に超人スポーツ協会(Superhuman Sports Society)が設立されました.同協会はスポーツ・技術・文化を融合させ,新たなスポーツ分野を開拓するべく,国内初の超人スポーツ競技会開催,関連産業の創出,学術研究の推進を図ってきました.その成果の一つとして,第3期スポーツ基本計画(注1)では,スポーツ共創の理念の下「つくる/はぐくむ」という視点が加わりました.現在は,コミュニティ機能を担う「超人スポーツプロジェクト」と,学術機能を担う「超人スポーツアカデミア」の二組織が相互連携しつつ活動し,市場拡大や海外展開などの活動を積極的に行うと同時に,人間拡張工学(用語1),ヒューマンインタフェース(用語2),ロボット工学(用語3),エンターテインメント研究(用語4)など幅広い学術領域と交差しつつ,スポーツの在り方を革新する社会的取組みとして注目を集めています.


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