
理想的なReLU入出力特性を持つニューロン素子を超伝導回路で実現
横浜国立大学は,ニューラルネットワーク回路の重要な要素回路であるニューロン素子を超伝導回路を用いて実装し,Rectified Linear Function(ReLU)活性化関数特性が得られることを実証した.本回路はある程度の素子ばらつきがあっても理想特性を保つという特徴を持ち,大規模ネットワークを構築した際に問題となる要素回路の特性ばらつきによる性能劣化の問題を解決することが期待される.
近年の深層学習の爆発的な普及に伴い,計算機の消費電力増大が深刻な課題となっている.この解決策として脳の構造を模倣したニューロモルフィックコンピューティングが注目されている.超伝導SFQ(Single Flux Quantum)回路は,磁束量子(,
はプランク定数,
は電子電荷)の有無を1と0として扱うディジタル回路である.動作速度は現状の回路作製プロセスで数十GHz,消費電力は従来のCMOS回路の数千分の一という特性を持つ.磁束量子の伝搬時に発生する電圧パルスを用いた情報伝達表現は生物学的ニューロンのスパイク(活動電位)と類似しており,パルス頻度で情報を表現するニューロモルフィックシステムへの応用に適している.

