
MOS界面欠陥の電気的評価手法[Ⅲ・完]
──容量特性以外の方法によるMOS界面欠陥の評価──
Electrical Evaluation Method for MOS Interface Defects [Ⅲ・Finish]:Evaluation of MOS Interface Defects by Other Methods Than Capacitance Characteristics
1. は じ め に
前回の講座では,MOS構造における界面準位密度や酸化膜中の固定電荷密度を,MOSキャパシタの容量特性を用いて定量的に評価する方法について述べた.今回の講座では,近年しばしば用いられるようになったMOSキャパシタのコンダクタンス特性を用いる方法(1),(2),(3),(4)やMOSFETのサブスレショルドスイング値を用いる方法(2),(3),MOSFETを用いたチャージポンピング法(2),(4)といった電気的評価方法について,その原理と特徴を簡単に述べる.
2. コンダクタンス特性を用いた界面準位量評価
前回の講座では,MOSキャパシタの容量特性を用いて界面準位密度や固定電荷量を求める方法を示したが,MOSキャパシタの等価回路には,界面準位に起因するコンダクタンス成分が含まれていることから,この成分を抽出することにより,界面準位密度を評価することができる(1),(2),(3),(4).
図1にn形半導体上のMOSキャパシタに交流電圧を印加したときの界面準位の応答の模式図と等価回路を示す.小信号の交流バイアスに伴う表面ポテンシャルの変化に応じて,界面準位の充放電が発生する.ここで,界面準位へのキャリヤの捕獲・放出過程では,エネルギー障壁のあるバンド端と界面準位の間でのキャリヤのやり取りを伴うことから,キャリヤの移動に時間遅れが生じるため,交流的には抵抗成分(損失)が生じる.結果として,界面準位の交流ゲート電圧に対する応答は,界面準位密度に相当する容量と充放電の遅れに伴う抵抗成分
の直列回路として,等価回路的に表現できる.ここで,
が界面準位応答の時定数
に相当し,それぞれ式(1),(2)のように表される.

