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Vol.109 No.7 (2026/7) 目次へ

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タイトル


1.概 況

 昨今の社会情勢を振り返ると,国内においては,少子高齢化による人口減少が一層進行し労働力不足による経済成長の頭打ちが懸念される状況となっている一方,生成AIの進化と活用の拡大による労働力余剰の懸念が発生する複雑な状況を呈している.また,異常気象や南海トラフ地震に代表される大規模震災,地政学リスクの顕在化等,多様な脅威への備えが益々必要な状況ともなっている.

 国外に目を転ずれば,経済においては米国の関税措置に代表されるグローバリズムや自由貿易体制の後退等,これまで続いてきた価値観が大きく揺らぐ状況ともなっている.経済のみならず国際秩序においても,様々な地域での戦争や紛争が続発し,格差の拡大やグローバルサウスの台頭により多極化が進展する等,これまでの秩序が大きく変わりつつある状況となっている.

 このような大きな社会変化に直面する状況において,本会は学会という立ち位置で学術を磨き,そして社会に大きな影響を及ぼすイノベーションへの貢献が期待されている.本会はその期待に応えるべく,コミュニケーションの夢とそれによって実現される豊かな未来社会に向けて果敢に挑戦し,革新的技術及びイノベーションを継続的に創出する学会として大きく飛躍することを目指し,本会創立100周年にあたって宣言した以下の基本姿勢に則り本年度の活動を進めた.


 1.広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらく

 2.社会課題の解決に貢献し,新たな社会のビジョンを作成する

 3.技術倫理の向上に努め,社会に向けて発信する


 本会の事業は,学会全体事業(以下,共通事業という),ソサイエティ及びグループ事業,支部事 業の三つに大別されるが,それぞれ以下のような取り組みを行った.


 (1) 幅広い知の融合と人材の育成,及び,会員サービス・運営の質の向上

 広汎な知が交流する場を作り,新たな学術領域をひらき,会員サービスのさらなる拡充を目指して,次のような施策を推進した.主な成果を以下に示す.

 ① 広汎な知の交流

 広汎な知が交流し,新たな学術領域をひらき,社会課題の解決や新たな社会のビジョンについて,議論や意見交換ができる機会作りを促進した.そのために,ウェビナーによる発信,研究会・大会等の魅力あるイベントを開催し,HPやメール,SNSを活用し幅広く案内,周知し,会員サービスの向上,人材育成,及び,新規会員の獲得を目指した.

 ② ジュニア会員制度の充実

 電子,情報通信分野に若い多感な時期より興味を持ってもらい将来のリーダー育成に貢献するため,ジュニア向けHPの充実,Lineによりコラムや時季に関する情報の配信(48回),総合大会でポスターセッションの実施,ジュニア向けWebinarを3回開催した.また,配信用に新規収録した講演コンテンツ3件をアーカイブとして公開し,コンテンツの拡充を図った.

 ③ プラチナクラブの充実

 主に40歳以上の会員を対象に,学会を自己実現の場に使え,人生を通した研究者・技術者としての充実感を高めるための講演会,見学会,意見交換会等の場や,経験と知識を活かした後継者支援の機会を提供する.今年度は4回の見学会・講演会(NTT西日本,京都ワークショップ,電気通信大学,トヨタ産業技術記念館)を実施した.

 ④ ウェビナーシリーズの充実とビデオアーカイブ拡充

 下記のシリーズを定期的に配信した.さらに,それらに加え,会長就任挨拶,会長対談,研究会,大会の招待講演等を収集,アーカイブ化し,ビデオコンテンツの充実に努めた.

 (ア) IEICE ICT Pioneer Webinarシリーズ:本会がカバーするICT分野において,10~20年以上にわたり活躍してきた各分野の第一人者を講師に迎え,当該技術の過去・現在・未来を俯瞰的に語っていただく本シリーズを継続した.今年度は13回実施し,毎回100名以上の視聴があった.なお,Webinarコンテンツはアーカイブ化しており,2026年2月以降は非会員向けに有料で提供している.

 (イ) Distinguished Lecturer(DL)による英語講演:海外会員へのサービス向上,グローバル化の一環として,DLによる英語講演の配信を6回実施し,ビデオアーカイブ並びにYouTubeより配信している.

 ⑤ 維持員サービスの充実

 本会を支えて頂く維持員の皆様に対して,感謝の意を表するため「維持員交流会」を3月に開催した.学会紹介,学会事業紹介,名刺交換会を実施し,本会の事業状況をご理解頂くことに努めた.

 ⑥ アソシエートメンバー制度の推進

 学会の利用者を増やすことで,様々な分野との連携活動,会員をハブとする活動の場を拡げ,学会の利用者を増やすため,2023年度からアソシエートメンバー制度をスタートさせ,3年目である2025年度のメンバー登録は国内1,549名,海外386名となった.6~8通/月に学会の最新情報(研究会開催,論文特集号,大会案内)をメールでメンバーに送付した.

 ⑦ IEICEアンバサダーの制度化の推進

 会員に対して学会活動の情報を積極的に提供することを目的として,IEICEアンバサダー制度を開始し,」国内5人,海外1人のアンバサダーを任命した.アンバサダーに学会公式SNSを通じて直接情報発信を行ってもらうことで,会員視点からの情報提供を強化し,学会活動への理解と関心を深め,学会の認知度を向上させた.


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