
プラチナクラブ第15回見学会
──NICTにおける最先端の情報通信技術に関する取り組みについて──
Platinum Club 15th Tour: NICT’s Initiatives in Cutting-Edge Information and Communications Technology
1. プラチナクラブ見学会の概要
本会プラチナクラブは歳を重ねた会員を対象とした活動グループで,最先端の技術や新しい技術エリアについての知識を得ると同時に,会員同士の交流の場として非常に有益です.
このたび,第15回見学会として2026年5月15日に東京都小金井市にある国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)を訪問しました.本研究機構は,情報通信分野における日本唯一の公的研究機関で,総務省所管の国立研究開発法人として,東京都小金井市に本部を置いています.
本見学会は,下記のプログラムで開催されました.
14:00~ 受付開始
14:30 ご挨拶 津田裕之先生(プラチナクラブ運営委員会/慶應義塾大学)
14:40 講演会
16:00 見学会(電波暗室,クリーンルーム)
17:15~19:00 懇親会
2. 講演内容について
各40分程の講演が,2件ありました.先ず,ネットワーク研究所・副研究所長の山本直克様より,「All-bandCommunicationを志向した光・電波融合ネットワーク基盤技術」と題して,光電融合(光・電波融合)による情報通信デバイス・システム技術について,光と電波を高度に融合してサブテラビット級の超大容量有線・無線通信を実現するためのシステム技術についての紹介,そして,将来の通信用光デバイスは,100GHz以上の高速処理が必要であることから,光集積チップ内で光と電波(高周波)を融合して処理することを目指して開発中のデバイスに関して,材料個々の特徴・優位性を生かした異種材料集積(ヘテロジニアス集積)技術の重要性についての説明がありました.
次に,未来ICT研究所・副研究所長の笠松章史様より,「NICTにおけるテラヘルツ研究の紹介」と題して,未開拓・未利用の周波数領域を次世代の無線技術として利活用するための研究に関する取り組みとして,シリコンCMOS集積回路等による300GHz帯無線送受信機,テラヘルツ帯無線通信用の小型・広帯域アンテナ等の開発について,また,300GHz帯等の伝搬特性やアンテナ特性の検証結果の紹介,更に,未割当のテラヘルツ周波数帯の国際無線通信規格の標準化活動について説明していただきました.
これら2件の講演では,詳細な研究内容を紹介していただき,非常に興味深い内容で,最先端の研究内容に触れることができました.
3. 各施設の見学について
本研究機構の研究施設として,電波暗室,クリーンルームの見学を行いました.
電波暗室は,B5G電波暗室棟にあり,2023年3月に施工され,Beyond 5Gに向けて,アンテナ特性,トランシーバー伝送特性等の評価に使用され,対象となる周波数範囲は,10GHz~500GHzで,テラヘルツ帯を含んだ超高周波帯に対応しており,また,電波暗室に使用している電波吸収体は,劣化が少ない発砲樹脂材料を使用しているとの説明がありました.
尚,電波暗室サイズは,奥行き20m,幅8.5m,高さ7.5mとのことでした(図1).

