記念特集 2-2-11 LOIS 研専の今後の課題・抱負

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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一藤 裕 正員 長崎大学ICT基盤センターナレッジプラットフォーム部門

Yu ICHIFUJI, Member (Center for Information and Communication Technology, Nagasaki University, Nagasaki-shi, 852-8521 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1065 2017年10月

©電子情報通信学会2017

1.は じ め に

 本稿では,LOIS研専の取り扱いテーマの一つである,ライフログやセンサを利用して取得したデータ(ビッグデータ)に焦点を当て,今後のLOIS研専が解決していくべき課題と抱負について述べる.

2.ビッグデータ関連課題に対する取組み

2.1 ビッグデータ関連の課題

 ビッグデータは,様々な形式や種類のデータの集合で,随時追加蓄積されていくものであり,管理の仕方や効率の良い分析・利用方法が求められる.また,個人情報や属性情報,企業の機密情報も含まれる場合があり,取扱い方法についても対応が求められる.そのため,法制度面での検討が必須となる.更に,発表された内容の検証や発展をさせる際に,同じ形式のデータを収集・利用することが難しいという課題がある.今後のビッグデータを対象とした研究には個人・属性情報と組み合わせるものが多く出てくることが予想される.よって,ビッグデータを集約し利活用できる仕組みを構築することが求められるのではないかと考える.

2.2 LOIS研専のビッグデータ関連の課題への取組み

 LOIS研専では,上記で挙げた課題の中で,ソフトウェア面において活発に研究が行われている.例えば,ビッグデータの構造整理のために,Linked Open Data(LOD)の仕組みを利用し,構造化されていないデータを構造化し利活用するための研究が発表されている(1).また,利用環境を想定してセキュリティ向上のため,生体認証を利用した本人確認システムの提案(2)や,ライフログを転用する際の保護要件の検討(3)など利活用に関する研究発表が行われている.また,本研専のテーマには含まれていないが検討すべき課題である個人情報を含んだデータ利用に関する検討は,法制度面を対象とした研専と連携して議論することで対応している.

3.今後に向けて

 LOIS研専ではビッグデータを扱った研究発表が今後も増えると予想される.前記事で述べたとおり,研究内容の検証や発展のためにも,LOIS研専のメンバーの誰もが利用できるビッグデータ基盤の構築が必要であると考える.運営やコストなど解決すべき課題は多いが,LOIS研専の活性化のために議題の一つとして検討することを考えている.

 また,LOIS研専の参加者数も解決すべき課題である.現状,LOIS研専の参加人数は横ばいである.新しい意見を取り入れるためにも新規参加者を開拓することが必要不可欠である.そのため,最新の研究内容を紹介してもらうため招待講演の実施や,イベントの開催等を行っている.今後も,魅力的な研究会にするための対策を継続的に実施していく予定である.

文     献

(1) 槇 俊孝,若原俊彦,山口明宏,一藤 裕,曽根原 登,“Linked Open Data生成のためのマルチプルラベル伝搬アルゴリズムの提案と性能評価,”信学技報,LOIS 2015-72, pp.51-56, March 2016.

(2) 鈴木晴佳,高橋 元,藤村香央里,中村 亨,大田幸由,“生体信号を利用した個人生成データの本人帰属性保証システムの評価,”信学技報,LOIS 2016-39, pp.63-68, Nov. 2016.

(3) 池田美穂,武藤健一郎,川邊秀樹,工藤史堯,山本隆広,“認証システムへのライフログ転用におけるデータ保護要件の考察,”信学技報,LOIS 2015-87, pp.139-144, March 2016.

(平成29年4月29日受付 平成29年6月8日最終受付)

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(いち)(ふじ) (ゆう) (正員)

 平15東北大・工・情報卒.平22同大学院博士課程了.博士(情報科学).同年,情報・システム研究機構新領域融合研究センターの研究員.以来,観光に関するWeb上のデータに基づいた実世界の状況推定などの研究に従事.平28から長崎大学ICT基盤センター准教授として現在に至る.


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