解説 IoTアーキテクチャの最新動向

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Vol.100 No.3 (2017/3) 目次へ

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解説

IoTアーキテクチャの最新動向

Latest Developments of IoT Architecture

白鳥則郎 北上眞二 菅沼拓夫 菅原研次 嶋本 薫

白鳥則郎 名誉員:フェロー 早稲田大学理工学術院

北上眞二 正員 早稲田大学国際情報通信研究センター

菅沼拓夫 正員 東北大学サイバーサイエンスセンター情報通信基盤研究部

菅原研次 正員:フェロー 千葉工業大学情報科学部情報ネットワーク学科

嶋本 薫 正員 早稲田大学基幹理工学部情報通信学科

Norio SHIRATORI, Fellow, Honorary Member (Faculty of Science and Engineering, Waseda University, Tokyo, 169-8555 Japan), Shinji KITAGAMI, Member (Global Information and Telecommunication Institute, Waseda University, Tokyo, 169-8555 Japan), Takuo SUGANUMA, Member (Cyberscience Center, Tohoku University, Sendai-shi, 980-8577 Japan), Kenji SUGAWARA, Fellow (Faculty of Information Science, Chiba Institute of Technology, Narashino-shi, 275-0016 Japan), and Shigeru SHIMAMOTO, Member (School of Fundamental Science and Engineering, Waseda University, Tokyo, 169-0012 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.3 pp.214-221 2017年3月

©電子情報通信学会2017

abstract

 クラウドコンピューティングを中心とする大規模なIoTシステムにおいて,近年ネットワーク負荷の増大,応答遅延やプライバシー侵害などの問題が懸念されている.解決策としてエッジコンピューティングの適用が検討されているが,単にクラウドの処理をエッジに移すとアプリケーションごとのIoTシステムの乱立を招き,利用者の利便性を損ねることになりかねない.本稿では,まずIoTアーキテクチャの変遷を解説し,次にエッジコンピューティングをIoTに適用する際の課題を述べる.更に次世代IoTアーキテクチャの最新の研究を紹介し,今後を展望する.

キーワード:IoTアーキテクチャ,IoTプラットホーム,クラウドコンピューティング,エッジコンピューティング,次世代IoTアーキテクチャ

1.は じ め に

 近年,IoT(Internet of Things)が大きな注目を浴び,学術的な研究と同時に,産業分野や社会分野などへの応用も進んでいる(1),(2).例えば,産業分野では,リモートメンテナンスやサプライチェーンマネジメントの高度化が期待される.また,社会分野では,エネルギー管理やヘルスケアなどへの適用が進んでいる.一方で,クラウドコンピューティングを中心とする大規模なIoTシステムにおいては,ネットワーク負荷の増大,応答遅延やプライバシー侵害などの問題が懸念されている(3),(4).これらの問題を解決するために,データの発生源や制御対象に近い場所で処理を行うエッジコンピューティングの考え方のIoTシステムへの適用が検討されている(4)(6).すなわち,IoTシステムのクラウド側の処理の一部をエッジ側に移すことで,前述の問題は解決される.しかしながら,現状ではクラウドとエッジの役割分担が明確でないため,このままではアプリケーションごとにローカルなIoTシステムの乱立を招き,利用者の利便性を損ねることになりかねない(6),(7).

 本稿では,まず,これまでのIoTアーキテクチャの変遷と課題を説明する.次に,エッジコンピューティングをIoTに適用する際の課題について整理した後,この課題の解決を目指した研究の最新動向について言及する.具体例として,自律性や適応性などのAI的手法を積極的に取り入れた次世代IoTアーキテクチャに関する最新の研究を紹介し,今後を展望する.

 なお,IoTという用語は,1999年にKevin Ashtonが最初に用いたとされる.一方で,産業界を中心にM2M(Machine-to-Machine)という用語も広く使われてきた.IoTとM2Mの違いが議論される場合があるが,本稿では,広い意味で同義語と扱う.そのため,文献内の用語M2MはIoTに読み替えている.


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