特集 2-3 5Gが開くVR

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Vol.101 No.11 (2018/11) 目次へ

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2. 5Gで開く新たなアプリケーション

特集2-3

5Gが開くVR

Immersive VR Experience Realized by 5G Network

福井啓允 大塚裕太 野中敬介 内藤 整

福井啓允 正員 (株)KDDI総合研究所超臨場感通信グループ

大塚裕太 KDDI株式会社次世代ネットワーク開発部

野中敬介 正員 (株)KDDI総合研究所超臨場感通信グループ

内藤 整 正員:シニア会員 (株)KDDI総合研究所超臨場感通信グループ

Hiromasa FUKUI, Keisuke NONAKA, Members, Sei NAITO, Senior Member (Ultra-Realistic Communications Laboratory, KDDI Research, Inc., Fujimino-shi, 356-8502 Japan), and Yuta OTSUKA, Nonmember (Next Generation Network Development Department, KDDI Corporation, Tokyo, 102-8460 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.11 pp.1085-1090 2018年11月

©電子情報通信学会2018

abstract

 モバイル映像サービスとしてVR視聴への期待が高まっている.VR視聴をモバイルサービスとして実現する上では,画質や遅延といった体感品質の向上が不可欠であり,5Gの積極的な利用が想定されている.日本国内でのVRを使用した5Gトライアルとしては,新宿でのau 5G体感トライアル(報道機関向け,2017年4月),上野駅での「南三陸さんさん商店街へ瞬間移動」(一般向け,2018年1月)が開催された.本稿ではVRに関わる技術動向を導入した上で,上述の5Gトライアルの紹介を行い,最後に将来のVR技術として自由視点VRの技術解説を行う.

キーワード:ロケーション型VR,VRライブ中継,5G体験イベント,自由視点VR

1.ま え が き

 モバイル映像サービスとしてVRコンテンツの視聴に対する期待が高まっている.VR視聴をモバイルデバイスにより実現する上では,端末のサイズ・消費電力を抑える一方で,画質や遅延といった体感品質の向上が不可欠であり,5Gの積極的な利用が期待されている.日本国内でのVRを使用した5Gトライアルとしては,2017年4月に新宿でau 5G体感トライアルを報道機関向けに実施した.更に一般向けには,2018年1月に上野駅で実施される地域再発見プロジェクト「宮城産直市」において「南三陸さんさん商店街へ瞬間移動」という,地方都市を都会で感じられる体験イベントが実施された.

 本稿では,2.でVRに関わるグローバルな技術動向を解説した上で,3.で上述のVR伝送トライアルについて紹介する.最後に4.では将来のVR技術として期待される自由視点VRに着目し,技術解説を行う.

2.技 術 動 向

 本章ではVR伝送を取り巻く技術動向について解説する.

2.1 伝送方式

 VR伝送方式の一つとして,全天球映像を配信し,クライアントで視野映像を合成する方式がある.全天球映像はユーザから全外界方向(360度)を見渡したときの映像である.MPEGのシステム規格であるOMAF(Omnidirectional Media Application Format)においては,最も一般的なEquirectangular方式をはじめCubicやCylinderなど様々な投影形式が提案され,代表的な伝送方式がISO/IEC23000-20として規格化された.

 また,その他の伝送方式としてFacebook社のPyramid方式に代表されるRegion-wise Packing方式(1)などがある.正面方向の画質や解像度を高くするように方向ごとの複数の映像をあらかじめ用意し,ユーザの向きに応じて伝送対象を切り換える.全天球方式に比べて品質向上(帯域削減)ができる反面,ストレージや符号化回数の点で効率が悪くなるという問題がある.


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