小特集 ドローンがもたらす新しい世界 小特集編集にあたって

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Vol.101 No.12 (2018/12) 目次へ

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小特集

ドローンがもたらす新しい世界

小特集編集にあたって

編集チームリーダー 岡田 啓 今田美幸

 各種センサやマイコンの小形軽量化,飛行制御技術の発展により,ドローンは今や身近な存在となっている.誰でも空間を自由に活用できる可能性を秘めたドローンは,ホビーのみならずビジネスや我々の生活の質の向上に役立つ技術として大きく期待されている.最近では,日頃スマートフォンなど身近なデバイスで使っているGPSや様々なセンサがドローンに組み込まれており,操作が容易になってきた.また,安価なドローンも販売され,大学教育やレジャーでの利用も含めて初心者でも手が出しやすくなった.一方で,操縦技術や法整備が十分整っていないため,事故やトラブルがしばしば発生している.

 本小特集は,ドローンの概要や安全かつ有効に使ってもらうための様々な技術や適用例について,第一線で活躍されている研究者や操縦士の方々に御寄稿頂いた.

 1章では,全体の概要として,橋口宏衛氏に,ドローンの歴史や基本的な仕組み,活用事例,将来展望の概要背景からビジネスや研究での展望について述べて頂いた.

 2章では,ドローンを支える技術の一つとして,自律飛行実現のために必要な課題とアプローチ,今後の研究が要とされる話題や動向について,此村 領氏に述べて頂いた.

 3章の活用事例では,操縦士の大城智広氏から,空に加え陸上や水上の小形無人機にもスポットを当て,小形無人機の種類や活用方法ついて幅広く御紹介頂いた(注1).加藤直也氏には,河川特有の環境を考慮した橋梁点検実現に向けた要素技術,田中 圭氏,濱 侃氏,近藤昭彦氏には,小規模経営や家族経営の農家でも導入が可能な低コストのシステム構築に向けた水稲モニタリングの4年間の実施成果,平栗健史氏,木村共孝氏,西森健太郎氏,金子めぐみ氏,松田崇弘氏,中尾彰宏氏には,空中を飛行するドローン特有の伝搬環境条件や電波干渉などの観点からドローンを用いた三次元メッシュネットワーク実現に向けた取組みについて御紹介頂いた.里田浩三氏,吉田裕志氏,金友 大氏には,ドローンによるリアルタイム映像監視の実現に向け,見通しの距離,電波干渉や混雑の状況により,利用できる通信スループットが大きく変動する環境でも高精細な映像をリアルタイムに配信する技術,山田 渉氏には,飛行して空間上の任意の場所から映像を表示することができる世界初の球体ディスプレイ,浮遊球体ドローンディスプレイについて御紹介頂いた.

 法規制についても,ドローン技術の進歩やドローンを取り巻く社会情勢とともに常に変化している.4章では,野波健蔵氏から,2017年秋時点での法規制の概要について,丁寧に解説頂いた.

 2017年3月に,東京支部/東海支部共同で開催したドローンに関するシンポジウムが盛況だったことから,両支部の協力の下,本小特集を企画するに至った.本小特集で紹介した技術や取組みが,更なるドローンの発展につながることを期待したい.

 最後に,本小特集の趣旨を御理解頂き,様々な観点から御執筆頂いた執筆者の皆様,元東京支部長の川添雄彦氏(NTT),元東京支部委員の末田欣子氏(明星大),池田奈美子氏(NTT),元東海支部長の大平 孝氏(豊橋技科大),元東海支部委員の上原秀幸氏(豊橋技科大),本小特集を実現するにあたり御協力頂いたWG・BとEの編集チームメンバーの皆様,学会事務局の皆様に深くお礼を申し上げる.

小特集編集チーム

 岡田  啓  今田 美幸  菊間 一宏  高田 潤一  糸田  純  井口  寧  衣斐 信介  牛久 祥孝  川喜田佑介  小林 由枝  塩田 茂雄  菅原 真司  關根 惟敏  豊田 雄志  中村 祐一  増野  淳  松浦 基晴  松嶋  功  茂呂征一郎  山中 直明  渡辺 正裕 


(注1) 本記事はドローン利用の解説のために軍事利用についても述べているが,軍事利用を推奨するものではない.


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