特集 2-2 場所にとらわれないフレキシブルな働き方を可能とするICT

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Vol.101 No.5 (2018/5) 目次へ

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2. 働き方改革を支えるICT 
【多様な働き方を支えるICT】

特集 2-2

場所にとらわれないフレキシブルな働き方を可能とするICT

Office Communication System for Remote Work

野中雅人

野中雅人 正員 沖電気工業株式会社研究開発センター

Masato NONAKA, Member (Corporate Research and Development Center, Oki Electric Industry Co., Ltd., Warabi-shi, 335-8510 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.5 pp.463-468 2018年5月

©電子情報通信学会2018

abstract

 高速なネットワーク,高性能なモバイル端末が気軽に利用できるようになり,自宅や外出先などオフィス以外の場所で働くことが珍しくなくなっている.仕事内容や心身状況に適した場所を選ぶことで効率的な働き方が可能になる一方,離れているためにコミュニケーションが阻害され,特にインフォーマルな情報が伝わらなくなることから気付かないうちに情報格差が生じている恐れがある.

 本稿ではテレワークにおけるコミュニケーションに焦点を当て,どこにいても仕事のつながりがある人と簡単にコミュニケーションが取れ,必要な情報を適時入手できるICTについて述べる.

キーワード:テレワーク,アウェアネス支援,コミュニケーションシステム,プライバシー保護

1.働き方改革とテレワーク

 ワークライフバランスの適正化,人手不足の解消,イノベーションの促進などを目的に働き方改革に取り組む企業が増えている.生産性が高まるように働き方を変えていくことで,個人が自由に使える時間を増やし,これらの諸課題を解決しようという動きである.政府においても「働き方改革実行計画」の中で,テレワークによる時間や空間の制約からの解放,副業・兼業を通じた新事業創出などを施策に挙げている(1)

 現在のテレワークは週1,2回自宅などで仕事をする形態が主流である.高速なネットワークや高性能な端末の普及,セキュアに社内ネットワークにアクセスする環境整備などにより,このような働き方は既に問題なく行えるようになっている.

 一方,将来を見通すと少子高齢化の進行に伴い人材の確保,特にAIやロボットによる代替が効かない知識労働者の確保はますます困難になると予想される.介護のために地方の実家に戻る,夫(妻)の異動に帯同するといった従来なら離職していたケースも,テレワークで雇用継続されるようになると考えられる.この場合,常に離れた場所で働くフルタイムテレワークを行うことになる.テレワークは生産性向上やワークライフバランスの適正化に効果が認められている一方,従業員の管理やコミュニケーションに課題があると言われている(2).上司・同僚と顔を合わせる機会が少ないフルタイムテレワークでは,これらはより切実な問題になる(3)

2.テレワークにおけるコミュニケーション課題

 遠隔コミュニケーションについてはCSCW(Computer Supported Cooperative Work)(用語)分野で様々な研究がなされてきた.相手の状況を理解するというアウェアネスや,インフォーマルコミュニケーションの重要性も認知されており(4),その支援やプライバシー保護についても研究がなされている.これらの詳細については本会の知識データベース「知識の森」S3群8編を参照頂きたい(5)


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