特集 2-9 組織活性化のための働き方アドバイス提供技術

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Vol.101 No.5 (2018/5) 目次へ

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2. 働き方改革を支えるICT 
【生産性向上を支えるICT】

特集 2-9

組織活性化のための働き方アドバイス提供技術

Personalized Work Style Adviser for Organizational Revitalization

佐藤信夫 早川 幹 辻󠄀 聡美

佐藤信夫 正員 (株)日立製作所研究開発グループ

早川 幹 正員 (株)日立製作所研究開発グループ

辻󠄀 聡美 (株)日立製作所研究開発グループ

Nobuo SATO, Miki HAYAKAWA, Members (Research & Development Group, Hitachi, Ltd., Kokubunji-shi, 185-8601 Japan), and Satomi TSUJI, Nonmember (Research & Development Group, Hitachi, Ltd., Tokyo, 107-6323 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.5 pp.504-509 2018年5月

©電子情報通信学会2018

abstract

 近年,IoTの活用によって業務中の活動を可視化する技術が普及しつつある.しかし,知識労働者の生産性は共通の基準がなく,更にオフィス環境や同僚とのコミュニケーションなどに左右されやすいため,可視化結果から改善施策を導き出すプロセスは現場任せで定型化されず,継続されにくいという課題があった.筆者らは,名札型ウェアラブルセンサを用い,望ましい働き方アドバイスを自動で提供するアプリケーションを開発した.アプリケーションの設計指針及び約600名での試行実施事例を紹介する.

キーワード:ウェアラブルセンサ,コミュニケーション,行動変容

1.は じ め に

 現在の働き方改革では主に長時間労働が改善すべき対象とされているが,次の課題は短い勤務時間の中で生産性を高める働き方の実現となる.工場作業やコールセンターにおいては生産性を示すデータを用いることで改善指針を得ることが可能になったが,知識労働においては成果の質の共通の数値化が難しいこと,更にオフィス環境や同僚とのコミュニケーションなどのヒューマンファクタに影響を受けやすいと考えられることから,行動計測結果から働き方改善施策を導くプロセスの定型化がされてこなかった.そのため,働き方改革と銘打っても形式的な施策を一度実施してそれきりになりがちであったが,望ましい働き方が定着するように継続的な改善サイクルを繰り返す仕組みを作ることが必要である.筆者らは,そのために従業員が自発的に望ましい働き方を行うように支援することが必要だと考え,名札型ウェアラブルセンサを用いた働き方アドバイスを自動で提供するアプリケーションを開発した.この特徴は,個人別にカスタマイズされたアドバイスを提供すること,提供プロセスにおいてアプリケーションとユーザの間で段階的な信頼関係を構築することの2点である.本稿では,この技術と適用事例について述べる.

2.ウェアラブルセンサによる行動計測技術

 職場行動を計測するツールとして,名札型センサノード(1)を用い,対面コミュニケーションや身体の加速度リズムの計測と可視化,更に組織の活性度の定量化が実現されている.

2.1 名札型センサ

 図1に仕様を示す.一般的な運用としては,充電器は職場に設置し,ユーザは出社時にセンサノードを充電器から外して身に付け,退社時に再び充電器に戻す.こうして従業員が職場内に滞在している間の,対面コミュニケーションを端末間の赤外線送受信で,身体の揺れを加速度センサによって計測する.


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