特集 2-10 コラボレーションワークを活性化する空間UI技術

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Vol.101 No.5 (2018/5) 目次へ

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2. 働き方改革を支えるICT 
【生産性向上を支えるICT】

特集 2-10

コラボレーションワークを活性化する空間UI技術

Creative Digital Spaces Technology Encourages Inspired Human Communication

岡林桂樹 宇山政志 由良淳一 武 理一郎

岡林桂樹 (株)富士通研究所IoTシステム研究所

宇山政志 (株)富士通研究所IoTシステム研究所

由良淳一 (株)富士通研究所IoTシステム研究所

武 理一郎 (株)富士通研究所IoTシステム研究所

Keiju OKABAYASHI, Masashi UYAMA, Junichi YURA, and Riichiro TAKE, Nonmembers (IoT Systems Laboratory, Fujitsu Laboratories Ltd., Kawasaki-shi, 211-8588 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.5 pp.510-515 2018年5月

©電子情報通信学会2018

abstract

 部屋全体,廊下全体がディスプレイやタッチパネルの機能を持ち,そこに自分の端末の画面を映し出し,ほかの人と容易に情報交換できることで,端末画面にとらわれないコミュニケーションを実現するというコンセプトを実現した技術が「空間UI」である.この技術は,人々をパソコンやスマート端末などの狭い画面から解放し,人々のコミュニケーションを活性化する.また,人々の共創活動をディジタル化するとともに,ネットワークを越えて共創活動を拡大できる.本稿では,この空間UI技術について,コンセプト,試作したシステムの概要について解説する.

キーワード:どこでもディスプレイ,共創空間,仮想大部屋,Webアプリ,多拠点連携

1.は じ め に

 近年,モバイル機器が発展を遂げ,モバイルネットワークも高速化が進んでいる.また,それに伴いクラウドサービスも普及してきている.これまでにも,モバイルの利点を生かしたサービスを容易に構築できる基盤(1)が開発されている.現状のモバイルソリューションは画面が小さい端末による個人に対するサービスであり,複数の人で情報共有するシーンでは活用が難しかった.そこで,壁やテーブルに参加者が持ち込んだモバイル端末の資料を表示して情報共有を容易にする「空間UI」を開発した(図1).

fig_1.png

2.人同士のコミュニケーションにおける課題

 ノートPCやタブレットなどのモバイル機器の発展により,会議中にパソコンでメモを取ったり,パソコン上の資料を見ながら話を聞いたりする機会が増えた.その結果,せっかく同じ場所に集まっていても,常に端末の画面を見ながら,画面越しに会話をするという状況になっていないだろうか.人同士のコミュニケーションは,話す相手の表情から理解度を読み取るなど,ノンバーバルなコミュニケーションが重要な役割を果たす.昨今のモバイル端末の発展は,従来できていたコミュニケーションを阻害している.しかし,モバイル端末を使って最新のデータを参照したり,その場で議事録を作って共有したりするなど有用な面も多い.このように,モバイル端末を有効に使いながらも,人同士のコミュニケーションを阻害しない仕組みを作ることが課題であると考えた.


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