特集 2-11 コミュニケーションの効率化を目指す技術

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Vol.101 No.5 (2018/5) 目次へ

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2. 働き方改革を支えるICT 
【生産性向上を支えるICT】

特集 2-11

コミュニケーションの効率化を目指す技術

Future Technologies for Effective Collaboration

行木陽子 佐藤 淳

行木陽子 日本アイ・ビー・エム株式会社ソフトウェア事業

佐藤 淳 日本アイ・ビー・エム株式会社東京ソフトウェア&システム開発研究所

Yoko NAMEKI, Nonmember (Software Business, IBM Japan, Tokyo, 103-0015 Japan) and Atsushi SATO, Nonmember (Tokyo Software & System Development Lab, IBM Japan, Tokyo, 103-0015 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.101 No.5 pp.516-521 2018年5月

©電子情報通信学会2018

abstract

 コミュニケーションを支援するコラボレーション技術は,時代のニーズを反映しながら様々な進化を遂げている.働き方改革が最重要課題となっている現代の日本において,最新テクノロジーを活用し,時間や場所の制約を受けず柔軟に働ける環境,一人一人が能力を十分に発揮し活躍できる仕組みの実現は急務と言える.更なるビジネス変革を実現するため,人工知能(AI)技術の活用への期待も高まっている.時代とともに進化するコラボレーション技術をひも解き,働き方改革を推進し,価値創造につながるコラボレーション技術について考察する.

キーワード:コラボレーション,コミュニケーション,働き方改革,SNS, AI

1.は じ め に

 FacebookやLINE, Twitterなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を利用したインターネット上のコミュニケーションが爆発的な広がりを見せている.「人」が持つ能力や情報を「つながり」を生かして顕在化し拡散するSNSのメカニズムは,企業においても旧来的な情報共有の在り方を刷新し,社員の会社に対する「エンゲージメント」を高める手段として期待されている.20世紀はトランザクション処理を中心とする業務の効率化を情報通信技術(ICT)の力で押し進めてきたが,21世紀に入り企業が注目したのは,「人」が最大限に能力を発揮し,その能力をつなぐことで価値を創造し,ビジネスを推進する「SoE(Systems of Engagement)」の世界である.そして,最近では更なるビジネス変革を実現するために,人工知能(AI)技術を利用したコラボレーションの仕組みへの期待も高まっている.コラボレーションツールが,やり取りされている対話や情報の内容を理解し,コンテキストに応じて効率的に物事を判断し次に実行するアクションに対しての適切なアドバイスを提供できれば,より付加価値の高い働き方を実現できる.本稿では,時代とともに進化するコラボレーション技術を鳥瞰し,現代に求められるコラボレーション技術について考察していく.

2.コラボレーション技術の推移

 人が言語というツールを手に入れて以来,人同士がコミュニケーションを通して物事を決める,情報を得るということはごく当たり前のこととなっている.企業において,業務を遂行する上で必要となる担当者間のコミュニケーションや情報共有をコンピュータの世界で支援するために生まれたのがコラボレーションツールである.まず初めに,このコラボレーションツールにおける技術の変遷についてひも解いてみる.

2.1 コラボレーションツールの誕生

 コラボレーションツールが持つ機能は,その時代の流行や技術によって様々な特色を持っており,今もなお飛躍的に進化を続けている.コンピュータが電話回線を利用して接続可能となった際に情報を共有するために用意された掲示板システムやリアルタイムにテキスト情報をやり取りできるIRC(Internet Relay Chat)(1)と呼ばれる簡易チャットツールが誕生した.これらがコラボレーションツールのルーツだと考えられる.


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