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通信インフラの災害時対応及び防災・減災に向けた通信技術
――令和6年能登半島地震を風化させないために――
震度6弱地震からの山形・温海テレビ中継放送所の復旧整備工事
Restoration and Reconstruction Efforts Following a Major Earthquake at the Atsumi TV Relay Station in Yamagata
2019年,山形県沖で発生した震度6弱の地震(以下,山形県沖地震)により,山形県鶴岡市の温海(あつみ)テレビ中継放送所の局舎と空中線が大きな被害を受けた.NHKと山形県民放テレビ4社は,被災直後から応急対応を実施し,更に2023年に恒久的な復旧工事として共同建設で局舎を新設した.本稿では,放送技術者向けに特化したこれらの報告(1)を基に,広く技術者諸氏に向けて記す.
キーワード:温海TV局,地震被害,共同建設,カットオーバ
温海テレビ中継放送所(以下,温海TV局)は,山形県の日本海沿岸に位置し,山形市からは120kmほど離れており,車での移動には約2時間を要する場所である.温海TV局からは,NHK総合テレビ(DG),Eテレ(DE),FM放送と,山形放送(YBC),山形テレビ(YTS),テレビユー山形(TUY),さくらんぼテレビジョン(SAY)が放送しており,主な放送区域は鶴岡市温海地域の約900世帯である.
温海TV局の上位局は温海固定局であり,IF(Intermediate Frequency)方式TTL(Transmitter to Transmitter Link)波を受信している.両局の位置関係を図1に示す.
地震被災前は,図2のように送信鉄塔と送信空中線はNHK・民放で共用し,IF-TTL受信空中線はNHKと民放で使用周波数と上位局の位置が異なるため,放送機局舎や非常用発電機は別々に運用されていた.
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