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八村広三郎 田中 覚 西浦敬信 田中弘美
“形のない”人間の文化活動は記録できるのか?
有形無形の文化財・文化遺産をディジタル化し保存するというディジタルアーカイブの考え方・アプローチは様々である.保存という視点だけでなく,活用という視点,すなわち,伝統を能動的に見直し,今後も更に発展し続けるであろうディジタル技術を利用して,更なる文化創造へとつなげていくことも必要である.本稿では,祇園祭における山鉾巡行を対象とし,これにまつわる文化事象「コト」を記録するという,立命館大学で取り組んできた活動の考え方,および,今までに実現できたことなどを報告するとともに,記録としてのアーカイブだけではなく,創造のためのアーカイブの可能性について考える.