小特集 宇宙で使っても壊れないハードウェア開発の最前線   4. 超小形衛星搭載に向けた耐放射線無線機 Radiation-hardened Wireless Transceivers for Small Satellite

小特集 宇宙で使っても壊れないハードウェア開発の最前線
 
4. 超小形衛星搭載に向けた耐放射線無線機
Radiation-hardened Wireless Transceivers for Small Satellite

p.523
白根篤史 岡田健一 戸村 崇 坂本 啓

本稿では,超小形衛星に搭載可能な耐放射線フェイズドアレー無線機の開発について紹介する.近年,スマートフォンと直接通信できるような衛星通信サービスが展開され始めているが,誰もが利用できるようにするためには,大面積アンテナの実装と同時に,衛星の飛躍的な小形軽量化が必要であり,その鍵となるのが耐放射線無線機である.本稿では,CMOS 65nmプロセスを採用し,耐放射線設計を施した無線ICを開発し,磁界結合方式移相器の採用や放射線センサによるTID補償を導入した.作製した耐放射線無線機は,Kaバンドにおいて±50°のビーム走査及び8Gbit/sの通信速度を達成しながら,3Mradを超える放射線照射試験においても安定した通信性能を維持することを確認した.

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