pp805
早野順一郎
時間を掛けて生体機能を見る
ウェアラブル生体信号センサの発展は,モニタリング時間の量的増加のみでなく取得される情報の質的変化をもたらした.日常の自由行動下で測定される長時間心拍変動は,コントロールされた条件で測定される短時間心拍変動で確立された自律神経機能評価法をそのまま適用することはできないが,その一方で,短時間心拍変動からは得られない基底心拍数や健康リスクの把握,睡眠時無呼吸のスクリーニングなどに有用な情報を含んでいる.心拍変動を中心に,長時間モニタリングによる生体機能評価の課題と有用性について述べる.