記念特集 2-2-17 医用画像(MI)研専の過去,現在と未来

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Vol.100 No.10 (2017/10) 目次へ

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増谷佳孝 正員 広島市立大学大学院情報科学研究科医用情報科学専攻

田村進一 正員:フェロー (株)NBL研究所

仁木 登 正員:フェロー 徳島大学工学部光応用工学科

Yoshitaka MASUTANI, Member (Graduate School of Information Sciences, Hiroshima City University, Hiroshima-shi, 731-3194 Japan), Shin-ichi TAMURA, Fellow (NBL Technovator Co., Ltd., Sennan-shi, 590-0522 Japan), and Noboru NIKI, Fellow (Graduate School of Advanced Technology and Science, The University of Tokushima, Tokushima-shi, 770-8506 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.100 No.10 p.1076 2017年10月

©電子情報通信学会2017

 医用画像(MI)研専の歴史は,のちに初代委員長となられる鳥脇純一郎先生(名大:当時)が発起人代表として1998年9月に設立趣意書(1)を提出されたことに遡る.また当時,医用画像分野は既に隆盛であったため,新規の設立ではあるものの第一種の研専となる可能性が高いといった状況も予見されていたようである.果たしてその設立は承認され,翌年1999年度から活動を開始し今日に至る.同設立趣意書には,当時の国内外の同分野の動向が詳細に分析・記述されており非常に興味深い.以下に一部を抜粋する.

① 膨大な質の高い画像情報(いわゆる医用画像)を効果的に利用した画像診断,最小侵襲による効果的な外科治療の研究開発に拍車がかかっている.

② 医用画像関連の小規模の学会はかなりあり(中略)医学関係者による独自の発足の経緯や担当分野があって,固有のルートを持たない若手の研究者・技術者・大学院生などは参加しにくい.

③ 医用画像は画像工学の対象としては最大の領域の一つ(中略),そこからの問題提起は画像情報一般の研究の活性化にも大いに役立つ.

④ 医用画像関連の新しい国際会議,学会が幾つも開かれ,本分野関連の活発な立ち上げが見られる.

 約20年の時を経た現在,大きな変化が見られるのは②であり,このような垣根が取り払われ今日では当たり前となった「医工連携」が実現したのは,医工両分野で構成された歴代のMI研専委員を中心とした方々の大きな功績であると言えるだろう.

 現在,設立当時から年5回の開催を継続し,他の専門委員会との共催や協力を含め,設立時の計画は着実に実行されている.また,今日では多くの医学系研究者も研究会に積極的に,時に発表者として参加していることも特筆すべきであろう.加えて,毎年1月(または3月)開催の「メディカルイメージング連合フォーラム」で多彩な学会・研究会と連携するとともに,本会英文論文誌の医用画像特集号の企画や,東アジアの各国による隔年開催の「International Forum on Medical Imaging in Asia」への協力(共通の会場にて同時開催または連続開催)など,国際的な展開も積極的に行っている.

 医用画像は社会的に重要なメディアとして,現在もますます発展を加速している.その撮像原理から応用に至るまでの技術課題解決のための研究活動を支えるMI研専も今後も更に重要な役割を果たすと期待される.

文     献

(1) 鳥脇純一郎 (発起人代表),“研究専門委員会設立趣意書 (医用画像研究会),”Sept. 1998.

(平成29年5月14日受付)

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(ます)(たに) (よし)(たか) (正員)

 現(平29年4月現在)・第9代MI研専委員長.平3東大・工・精密卒.平9同大学院博士課程了.独ハンブルク大,米シカゴ大,東大を経て,平26から広島市大教授.工博.医博.拡散MRIなど多次元医用画像の解析とその応用に関する研究開発に従事.著書「これでわかる拡散MRI」など.

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()(むら) (しん)(いち) (正員:フェロー)

 第3代MI研専委員長.昭41阪大・基礎工・電気卒.昭46同大学院博士課程了.同情報工学科助教授を経て,昭63同医学部教授.平19阪大名誉教授.同年NBL研究所長.工博.パターン認識,医用画像解析などの研究に従事.IEEE Life Fellow,コンピュータ外科学会名誉会員.

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()() (のぼる) (正員:フェロー)

 第4代MI研専委員長,昭50徳島大・工・電子卒,昭52同大学院修士課程了,同情報工学科助手,平8同光応用工学科教授,平29同名誉教授・特命教授,京大工博.肺がんを中心としたコンピュータ支援画像診断,肺ミクロイメージングなどの医用画像に関する研究に従事.


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