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IoT,ビッグデータ,AIのイノベーションによって,現在の産業構造が変革期を迎えている.この特別小特集では,信越支部が電子情報通信学会創立100周年記念事業として実施したフォーラムを中心に,人材育成を含め,地域でどのような産業が起きようとしているのかを解説した.本特別小特集では,フォーラムで議題となった信越地域での「食の持続的生産と効率化」,「ディジタルが開く地方創生」,「街を守る仕組み.人材育成」,「操作性評価への脳波の応用」,「データ可視化で農業や製造業の活性化」,「ICTを活用した地域の産業振興」を取り上げた.これらの内容が,他の地域でも利活用できるものなのか参考にして頂ければ幸いである.
本特別小特集では,信越地域という地域の特殊性によって成し遂げられた課題,そして,全国的な展開の可能性を考慮した内容の紹介をお願いした.具体的には,二宮正士氏(東大)には「持続的農業生産とインダストリー4.0」で,数多くの小規模生産農家に対し食料生産の最大効率化その持続性を担保する課題を,森川博之氏(東大)には「ディジタルが開く地方創生」でディジタル変革という切り口から,草の根的活動を地域全体で盛り上げながら,成長戦略を発展させていく試みを紹介して頂いた.
そして,信越地域として不破 泰氏(信州大)には「安全・安心な地域を支えるセンサネットワークの構築・人材育成」の中で,センサネットワーク基盤による地域の見守り,土砂災害情報,河川水位監視システム等の開発・運用の経緯とその成果,更にIoTシステムが地域に与える影響及び小学生からの人材育成事業について紹介頂いた.中川匡弘氏(長岡技科大)には「脳波のフラクタル解析を用いた多機能電話の操作性評価」において高齢化社会で機能低下に地域としての取組み例として,双方向文字通信機能を搭載した非常電話機開発で,聴覚障害者による操作性・使用感を定量化して評価する手法とその評価結果について紹介頂いた.また,山﨑達也氏(新潟大)には「データ可視化によるECHIGOイノベーション構想」と題して,産業を支える人材の高齢化と減少を課題に,センシング技術を用いたデータ可視化で農業や製造業を活性化する取組み事例と将来構想について解説して頂いた.最後に仙石正和氏(事業創造大学院大)から「産業界からの期待と将来展望――パネルディスカッション要旨――」と題して,電子情報通信学会信越支部の本会創立100年記念フォーラムにおける産業界からの参加者を含めた,信越地域で活動する企業を例に地域に密着した活動の現状を解説して頂いた.
末尾とはなりましたが,今回の特別小特集(信越支部)にあたっては,編集長,学会事務局会誌・出版課にお世話になりました.
平成30年10月号特別小特集編集委員会
委 員 長 木竜 徹(新潟大) 副委員長 山口芳雄(新潟大) 幹 事 金ミンソク(新潟大) 委 員 阿部貴志(新潟大) 委 員 仙石正和(事業創造大学院大) 委 員 山本博章(信州大) 委 員 湯川高志(長岡技科大)
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