業績賞贈呈

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Vol.101 No.7 (2018/7) 目次へ

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平成29年度 第55回 業績賞贈呈(写真:敬称略)

 本会選奨規程第9条イ号(電子工学及び情報通信に関する新しい発明,理論,実験,手法などの基礎的研究で,その成果の学問分野への貢献が明確であるもの),ロ号(電子工学及び情報通信に関する新しい機器,または方式の開発,改良,国際標準化で,その効果が顕著であり,近年その業績が明確になったもの),ハ号(電子工学及び情報通信並びに関連する分野において長年にわたる教育の質向上に資する教育施策の遂行,教育の実践(教育法,教材等の開発を含む),著述及びその普及を通じて,人材育成への貢献が明確になったもの)による業績に対し,下記の7件を選び贈呈した.

情報理論的に最適な符号構成の先駆的研究

受賞者 山本博資

 1948年にC.E. シャノンによって創始された情報理論は,通信,データ圧縮,データ暗号化などの基礎理論であり,今日の情報化社会の信頼性や安全性のための理論的基盤の一つとなっている.受賞者は,情報理論分野で長年活躍している研究者であり,情報理論における種々の問題設定に対して優れた理論解析を行い,最適な符号の構成を論じている.特に情報理論的セキュリティの研究では,国内の先駆者として研究をけん引する役割を果たしてきた.

 受賞者の代表的な研究業績として挙げられるのは,秘密分散法に関する一連の研究(1)(4)である.秘密分散法は,1979年にShamirとBlakleyによって独立に提案された,一つの秘密情報をシェアと呼ばれるmath個の分散情報に変換して安全に管理する方式である.秘密分散法では,任意のmath個以上のシェアから秘密情報が復元され,どんなmath個以下のシェアからも秘密情報が一切漏れないという性質を持つ,mathしきい値法を考えることが多いが,mathしきい値法ではシェアのビット長を秘密情報のビット長以下にできないことが知られていた.受賞者は,math個以上のシェアから段階的に秘密情報が漏れることを許したmathしきい値法を考えることにより,シェアのビット長を秘密情報のビット長のmath倍にできることを明らかにした(1).こうした秘密分散法はランプ型秘密分散法と呼ばれることも多いが,本方式は文献(5)に先んじて本会研究会で発表され,その後本会論文誌に掲載された.文献(1)で提案された秘密分散法の「強い安全性」と「弱い安全性」の2種類の安全性基準は現在では標準的なものとなり,平成21年度の本会論文賞を受賞した論文(4)でも,盗聴に対して強い安全性を持つネットワーク符号の構成が論じられた.

 受賞者はまた,安全性が要求される種々の通信システム(文献(6)(7)など)において,ある安全性基準を達成できる最適なレートを議論している.特に文献(6)では,送信者と受信者が鍵を共有しているときに,送信者が無記憶情報源の出力を,盗聴者が存在する雑音のある通信路を通して,許容できるひずみmath以内で受信者に伝送する問題を扱っている(図1).受賞者は,盗聴者が最良の復号器を用いて復号しても情報源出力とのひずみが一定値math以上になるという安全性基準を考え,暗号文及び鍵のレートの達成限界を求めることに成功した.本論文は,盗聴通信路の問題と有ひずみ符号化を関連付けた独創的な成果として被引用件数も多い.

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 受賞者は,情報源符号化の分野においても先駆的な研究を行っている.近年,受賞者は,AIFV符号(Almost-Instantaneous Fixed-to-Variable Length Code)という複数の符号木を使った優れた可変長符号を提案している(8).定常無記憶の情報源が出力するシンボル列を符号化するとき,平均符号語長を最小にする符号としてハフマン符号が広く知られている.ところがAIFV符号を用いると,ハフマン符号よりも平均符号長が真に小さくなることがしばしばある.二元ハフマン符号では,一つの完全二分木の葉に情報源シンボルを割り当てるが,二元AIFV符号の場合は,用いる二つの二分木の内部節点にも情報源シンボルを割り当てることができ,効率的な符号構成が可能になる(図2).本結果は,ハフマン符号が平均符号長最小の符号であるという常識を覆す,独創的な研究成果として,国内外の注目を集めている.情報源符号化における受賞者の他の業績として,LDPC符号を用いた符号器によりレートひずみ限界が漸近的に達成できること(9),Burrows-Wheeler変換を用いたデータ圧縮アルゴリズムの漸近最良性を示したこと(10)などが挙げられる.

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 以上の業績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) 山本博資,“mathしきい値秘密分散システム,”信学論(A),vol.J68-A, no.9, pp.945-952, Sept. 1985.[英訳:Electron. Commun. Jpn. 1, Commun., vol.69, no.9, pp.46-54, (Scripta Technica, Inc.), Sept. 1986.](研究会発表:山本博資,“秘密分散通信システムに対する実用暗号化法,”信学技報,IT84-8, pp.23-29, May 1984.)

(2) H. Yamamoto, “On secret sharing communication systems with two or three channels,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.32, no.3, pp.387-393, 1986.

(3) H. Yamamoto, “Coding theorem for secret sharing communication systems with two Gaussian wiretap channels,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.37, no.3, pp.634-638, 1991.

(4) K. Harada and H. Yamamoto, “Strongly secure linear network coding,” IEICE Trans. Fundamentals, vol.E91-A, no.10, pp.2720-2728, Oct. 2008.

(5) G.R. Blakley and C. Meadows, “Security of ramp schemes,” Advances in Cryptology-CRYPTO ’84, Lect. Note. Comput. Sci., vol.196, pp.242-268, Springer-Verlag, 1985.

(6) H. Yamamoto, “Rate-distortion theory for the Shannon cipher system,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.43, no.3, pp.827-835, 1997.

(7) H. Yamamoto, “Coding theorems for Shannon’s cipher system with correlated source outputs, and common information,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.40, no.1, pp.85-95, 1994.

(8) H. Yamamoto, M. Tsuchihashi, and J. Honda, “Almost-instantaneous fixed-to-variable length codes,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.61, no.12, pp.6432-6443, 2015.

(9) Y. Matsunaga and H. Yamamoto, “A coding theorem for data compression by LDPC codes,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.49, no.9, pp.2225-2229, 2003.

(10) M. Arimura and H. Yamamoto, “Asymptotic redundancy of the MTF scheme for stationary ergodic sources,” IEEE Trans. Inf. Theory, vol.51, no.11, pp.3742-3752, 2005.

区切

新世代コンピュータアーキテクチャに関する研究開発

受賞者 坂井修一

 コンピュータは,言うまでもなく情報社会で最も重要な機器であり,受賞者は,汎用超並列コンピュータを世界に先駆けて提案・開発した主要な一人である.計算と通信を自然に融合した計算モデル及びコンピュータアーキテクチャを考案・提唱し,これを,高並列コンピュータEM-4(図1),超並列コンピュータRWC-1(図2)など実機の開発・稼動によって検証した.また,相互結合網としてサーキュラオメガ網,CCCB網などを提案・実装し,更に網を用いた負荷分散方式を提案・実装した.これら全く新しいモデル・処理方式の提案・実装によって,真に効率良く生産性の高い高並列処理が実現できることが世界で初めて示された.また,VLSIチップ内の処理方式として,マルチパス並列処理・マルチスレッド処理の効率化・省電力パイプラインなどを提案し,これらに基づくプロセッサを考案・実装・評価して有効性を検証した.

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 これらの研究成果は,トップコンファレンスのISCA, MICROや欧文誌で数多く発表され,国内外で顕著な業績として認められた.この業績に対して受賞者は,日本IBM科学賞(1991)・市村学術賞貢献賞(1995)・IEEE 最優秀論文賞(ICCD ’95)・科学技術庁注目発明(1996)・SUN Distinguished Speaker Award(1997)・情報処理学会論文賞(1991)など多くの賞を受けている.また,同分野での長年にわたる貢献に対して,本会フェロー(2011),情報処理学会フェロー(2010)の認定を受けた.更に,これらを通じて得られた見識は,「コンピュータアーキテクチャ(電子情報通信レクチャーシリーズ)」(コロナ社,現在15刷),「論理回路入門」(培風館),「実践 コンピュータアーキテクチャ」(コロナ社)の3冊の教科書,著書「ITが守る,ITを守る 天災・人災と情報技術」(NHKブックス,大川出版賞受賞),「知っておきたい 情報社会の安全知識」(岩波ジュニア新書)などにも示されている.

 また,受賞者の指導学生は IEEE 優秀若手研究賞などを多数受賞している.

 近年,受賞者は,情報システムの信頼性・安全性を高める技術の重要性に着目し,JST CRESTにおいて2期10年にわたる大規模研究開発(「ディペンダブル情報処理基盤」(2002~2008)及び「アーキテクチャと形式的検証の協調による超ディペンダブルVLSI」(2007~2013),セコム科学技術振興財団助成研究「情報法学・マネジメント論と侵入防止技術の融合による超セキュア情報システム」(2013~2017)を研究代表として行っている.特に,プログラム監視アーキテクチャによる耐アタック技術,論理ブロック単位の細やかな冗長化による耐エラー技術,整合性保持アーキテクチャによる耐タンパ技術などをそれぞれ新規に提案し,試作機によってこれを検証し,また,これらを制御する管理機構を設けて,高安全化と高信頼化を統一的・合理的に扱えるようにし,プロセッサ全体を「超ディペンダブルプロセッサ」として実装した点は,特筆に値する.これらの成果は,代表的な国際会議や本会論文誌などで発表して注目を集めている.

 以上述べたように,コンピュータアーキテクチャの分野における受賞者の先駆的・総合的な業績は,情報システムの基盤技術を構築する上で,極めて重要な学術的貢献をなしており,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) S. Sakai, Y. Yamaguchi, K. Hiraki, Y. Kodama, and T. Yuba, “An architecture of a dataflow single chip processor,” Proc. 15th International Symposium on Computer Architecture, pp.46-53, 1989.

(2) S. Sakai, Y. Kodama, and Y. Yamaguchi, “Prototype implementation of a highly parallel dataflow machine EM-4,” Proc. 5th International Parallel Processing Symposium, pp.278-286, 1991.

(3) S. Sakai, Y. Kodama, and Y. Yamaguchi, “Design and implementation of a circular omega network in the EM-4,” Parallel Comput., vol.19, no.2, pp.125-142, 1993.

(4) S. Sakai, K. Okamoto, H. Matsuoka, H. Hirono, Y. Kodama, and M. Sato, “Super-threading: Architectural and software mechanisms for optimizing parallel computation,” Proc. 1993 International Conference on Supercomputing, pp.251-260, 1993.

(5) S. Sakai, Y. Kodama, M. Sato, A. Shaw, H. Matsuoka, H. Hirono, K. Okamoto, and T. Yokota, “Reduced interprocessor-communication architecture and its implementation on EM-4,” Parallel Comput., vol.21, no.5, pp.753-769, 1995.

(6) S. Katsunuma, H. Kurita, R. Shioya, K. Shimizu, H. Irie, M. Goshima, and S. Sakai, “Base address recognition with data flow tracking for injection attack detection,” IEEE International Symposium on Pacific Rim Dependable Computing (PRDC 2006), pp.165-172, 2006.

(7) S. Sakai, M. Goshima, and H. Irie, “Ultra dependable processor,” IEICE Trans. Electron., vol.E91-C, no.9, pp.1386-1393, Sept. 2008.

(8) R. Shioya, K. Horio, M. Goshima, and S. Sakai, “Register cache system not for latency reduction purpose,” IEEE Int’l Symposium on Microarchitecture (MICRO-43), pp.301-312, 2010.

(9) N. Kurata, R. Shioya, M. Goshima, and S. Sakai, “Address order violation detection with parallel counting bloom filters,” IEICE Trans. Electron., vol.E98-C, no.7, pp.580-593, July 2015.

(10) M. Miyanaga, H. Irie, and S. Sakai, “Accelerating integrity verification on secure processors by promissory hash,” 2017 IEEE 22nd Pacific Rim International Symposium on Dependable Computing (PRDC), pp.22-29, 2017.

区切

超高速・高出力・高感度フォトダイオードの先駆的研究

受賞者 石橋忠夫 受賞者 中島史人 受賞者 村本好史

 今日のインターネットの普及は,光通信技術の不断の技術革新に支えられている.光通信の大容量化のためにボーレートを高速化するほか,波長多重方式など様々な多重化技術が開発されてきた.この光通信の送受信部を担うキーデバイスの一つに,ファイバ伝送後の光信号を電気信号に変換するフォトダイオード(PD)があり,それぞれの通信方式に応じた高速化・高出力化・高感度化が必要とされてきた.

 PDにおいては,光吸収層で光を受けると電子と正孔が発生し,それらが移動して電気信号として出力される.従来,電子に比べ正孔の移動速度が遅いことが高速・高出力化の足かせになっていた.受賞者らは,1990年代後半に,光吸収層にp形半導体を用いることにより,遅い正孔の移動をなくして,光電変換を飛躍的に高速・高出力化できる原理を発案し,単一走行キャリヤフォトダイオード(UTC-PD)として実証した.これにより300GHzを超える超高速動作のPDを実現している.更に高出力特性を活用し,PDの出力で直接光変調器を駆動する光ゲートに応用できることも示した.

 更にUTC-PDをベースに,高速性と高感度性が両立するように,p形半導体とノンドープ半導体を組み合わせた光吸収層を有するMaximised Induced Current(MIC)型PDに発展させた.このUTC-PDの派生素子とその設計技術は,160Gbit/s級ASK方式,40Gbit/s級DQPSK方式,100Gbit/s級ディジタルコヒーレント方式等の高速高感度受信機や,メトロ網や高速イーサネットで使われることの多い感度増倍機能を有するアバランシPDに適用・実用化し,光通信用受信機技術をけん引している.

 光通信への展開の一方で,受賞者らは,UTC-PDが,ユニークな高速・高出力性能を有することに着目し,二つの周波数の異なる光を重畳したビート光を光電変換することで,高出力のテラヘルツ(THz)連続波を出力できることを実証した.これにより,THz連続波発生源や,無線信号を重畳した光信号をファイバ伝送後に無線信号に変換するファイバ無線送信機等に応用展開され,THzイメージングや計測器分野にも貢献した.その結果,数多くの研究機関がUTC-PDとその派生技術に追随し,学術分野への貢献も顕著である.

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 以上のように,受賞者らはUTC-PDを世界で初めて提案・実現し,その後も光通信用の受信機やTHz波発生・応用の学術分野をけん引してきた.受賞者らの功績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) T. Ishibashi, N. Shimizu, S. Kodama, H. Ito, T. Nagatsuma, and T. Furuta, “Uni-traveling carrier photodiodes,” OSA Trends in Optics and Photonics, vol.13, no.UC3, pp.83-87, 1997.

(2) H. Ito, T. Furuta, S. Kodama, and T. Ishibashi, “InP/lnGaAs uni-travelling-carrier photodiode with 310 GHz bandwidth,” Electron. Lett., vol.36, no.21, pp.1809-1810, 2000.

(3) S. Kodama, T. Yoshimatsu, T. Ito, H. Ito, and T. Ishibashi, “160Gbit/s error-free demultiplexing by ultrafast optical gate monolithically integrating photodiode and electroabsorption modulator,” Electron. Lett., vol.38, no.24. pp.1575-1576, 2002.

(4) Y. Muramoto and T. Ishibashi, “InP/InGaAs pin photodiode structure maximizing bandwidth and efficiency,” Electron. Lett., vol.39, no.24, pp.1749-1750, 2003.

(5) Y. Muramoto, K. Yoshino, S. Kodama, Y. Hirota, H. Ito, and T. Ishibashi, “100 and 160Gbit/s operation of uni-travelling-carrier photodiode module,” Electron. Lett., vol.40, no.6, pp.378-380, 2004.

(6) T. Yoshimatsu, Y. Muramoto, S. Kodama, T. Furuta, N. Shigekawa, H. Yokoyama, and T. Ishibashi, “Suppression of space charge effect in MIC-PD using composite field structure,” Electron. Lett., vol.46, no.13, pp.941-943, 2010.

(7) H. Ito, T. Furuta, F. Nakajima, K. Yoshino, and T. Ishibashi, “Photonic generation of continuous THz wave using uni-traveling-carrier photodiode,” J. Lightwave. Technol., vol.23, no.12, pp.4016-4021, 2005.

(8) T. Ohno, S. Fukushima, Y. Doi, Y. Muramoto, and Y. Matsuoka, “Transmission of millimeter-wave signals in a fiber-radio system using a unitraveling-carrier waveguide photodiode,” Photonics Technol. Lett., vol.12, no.10, pp.1379-1381, 2000.

(9) Y. Hirota, Y. Muramoto, T. Takeshita, T. Ito, H. Ito, S. Ando, and T. Ishibashi, “Reliable non-Zn-diffused InP/InGaAs avalanche photodiode with buried n-InP layer operated by electron injection mode,” Electron. Lett., vol.40, no.21, pp.1378-1379, 2004.

(10) M. Nada, Y. Muramoto, H. Yokoyama, N. Shigekawa, T. Ishibashi, and S. Kodama, “Inverted InAlAs/InGaAs avalanche photodiode with low-high-low electric field profile,” Jpn. J. Appl. Phys., vol.51, no.2, 02BG03, 2012.

区切

高速無線LANにおけるMultiple-Input Multiple-Output(MIMO)技術の研究と実用化

受賞者 青木亜秀 受賞者 足立朋子 受賞者 行方 稔

 近年,無線LANはスマートフォンやタブレット端末などに標準搭載されており,コンシューマ向けの通信方式として確固たる地位を確立している.1990年代に IEEE で無線LAN規格802.11と,その拡張規格である802.11bが策定され,無線LAN機器が普及を始めたが,更なる高速化に向けてMIMO技術の導入が有望視されていた.MIMO技術は複数アンテナで無線フレームを並列伝送することでその並列度に比例した高速化が可能であるが,それを無線LANに適用し高速な伝送レートを得るには幾つかの本質的な課題があった.受賞者らはそれらの課題を世界に先駆けて解決し規格に盛り込むことによって,MIMO技術による高速無線LANの普及に貢献した.

 通常,MIMO技術においては,送信機と受信機の発振器のずれを補正するためのパイロット信号を送信する.1アンテナのみを用いる場合とは異なり,複数のアンテナから送信される電波が相関によって相殺されるエリアが生じるため,想定される通信範囲の全領域をカバーできない現象が起こる.受賞者らは周波数ごとにパイロット信号のアンテナ間の位相を系統的にずらすことで,この問題を解決した(図1(a))(1)(3).従来方式でのエリアカバー率は16%だったのに対して,提案方式の採用によりエリアカバー率はほぼ100%を達成し(4),無線LANにおいてMIMO技術を採用し,高い伝送レートを実現できるようになった.

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 一方で,従来の物理パケットのフレーム構成をそのままMIMO技術に適用した場合,複数のフレームの送受信において,送信物理ヘッダ,フレーム間隔,応答フレームの時間によるオーバヘッドで伝送レートが向上しても体感される実効速度は頭打ちになってしまう(図2青線).そこで受賞者らは,複数の送信フレームを連接して一つの物理パケットに集約することで高効率化を図るとともに,これに対応する応答フレームも一つに集約することで,受信ステータス管理の負荷を大幅に軽減する方式を提案した.この方式ではフレーム集約と逆の手続きであるフラグメント処理を省略しているので,負荷軽減とともに受信ステータスフィールド長を短縮し,効率化することができる(図1(b))(3),(5),(6).これにより,100Mbit/s超の実効速度が実現できるようになった(図2赤線)(7),(8)

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 本技術は,無線LANの世界標準規格である IEEE 802.11n(9)及び IEEE 802.11acに採用されるとともに,現在標準化作業中である次世代無線LAN規格,IEEE 802.11axにも採用されている.更に,これらの規格には,受賞者らが考案した既存の端末との共存を可能にするプリアンブル信号や,高効率を確保するための加入端末制限方式も盛り込まれた.

 受賞者らは,IEEE 802.11n, IEEE 802.11acに対応した,無線LANベースバンドLSI,アナログ無線機能を備えた無線LANワンチップLSI及び無線LAN搭載SDメモリカードの製品化にも貢献した.また,IEEE 802.11ax規格ドラフト対応のLSIの開発にも参画し,2018年2月には共著者としてISSCC 2018にて世界初の IEEE 802.11ax対応LSIを発表した(10)

 市場調査によれば当該無線LAN規格は,2016年には27.2億台の製品に搭載されており,2021年には33.6億台となる見込みである.本技術は,オフィスや家庭における無線LAN利用の促進に,更には公衆無線LANの普及に大きく貢献しており,今後は,本技術のIoT分野などへの展開が大いに期待される.なお,関連技術に関して受賞者らは,関東地方発明表彰神奈川県発明協会会長賞(2012年),電気学会電気学術振興賞進歩賞(2014年),科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞(2015年),関東地方発明表彰発明奨励賞(2015年),市村産業賞貢献賞(2016年)を授与されるなど高く評価されており,その貢献は本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) T. Aoki, Y. Egashira, and D. Takeda, “Preamble structure for MIMO-OFDM WLAN systems based on IEEE 802.11a,” PIMRC2006, MIMO Recievers II-2, pp.1-6, Sept. 2006.

(2) T. Aoki, Y. Egashira, and D. Takeda, “Preamble structure for IEEE 802.11n wireless LAN system,” IEICE Trans. Commun., vol.E92-B, no.10, pp.3219-3227, Oct. 2009.

(3) 青木亜秀,足立朋子,“MIMO pilot signals and selective repeat scheme for high throughput wireless LANs,” 第5回世界工学会議 (WECC2015), no.PS 5-5-6, Dec. 2015.

(4) T. Aoki and M. Sandell, “Analysis of pilots for residual frequency offset estimation in MIMO OFDM systems,” IEEE Trans. Wirel. Commun., vol.8, no.3, pp.1128-1132, March 2009.

(5) T. Nakajima, Y. Utsunomiya, Y. Nishibayashi, T. Tandai, T. Adachi, and M. Takagi, “Compressed block ack, an efficient selective repeat mechanism for IEEE802.11n,” PIMRC2005, no.3, pp.1479-1483, Sept. 2005.

(6) T. Nakajima, T. Nabetani, Y. Utsunomiya, T. Adachi, and M. Takagi, “A simple and efficient selective repeat scheme for high throughput WLAN, IEEE802.11n,” VTC 2007-Spring, pp.1302-1306, 2007.

(7) 足立朋子,“IEEE802.11ワイヤレスLANの最新技術動向(チュートリアルセッション),”2009信学総大,no.BT-1-2, March 2009.

(8) 足立朋子,“標準化現場ノート第15回IEEEE802.11n,”映情学誌,vol.65, no.7, pp.950-953, 2011.

(9) IEEE Std 802.11nTM-2009, “Enhancements for higher throughput (Amendment 5),” 2009.

(10) S. Kawai, H. Aoyama, R. Ito, Y. Shimizu, M. Ashida, A. Maki, T. Takeuchi, H. Kobayashi, G. Urakawa, H. Hoshino, S. Saigusa, K. Koyama, M. Morita, R. Nihei, D. Goto, M. Nagata, K. Nakata, K. Ikeuchi, K. Yoshioka, R. Tachibana, M. Arai, C.-K. Teh, A. Suzuki, H. Yoshida, Y. Hagiwara, T. Kato, I. Seto, T. Horiguchi, K. Ban, K. Takahashi, H. Kajihara, T. Yamagishi, Y. Fujimura, K. Horiuchi, K. Nonin, K. Kurose, H. Yamada, K. Taniguchi, M. Sekiya, T. Tomizawa, D. Taki, M. Ikuta, T. Suzuki, Y. Ando, D. Yashima, T. Kaihotsu, H. Mori, K. Nakanishi, T. Kumagaya, Y. Unekawa, T. Aoki, K. Onizuka, and T. Mitomo, “An 802.11ax 4×4 spectrum-efficient WLAN AP transceiver SoC supporting 1024QAM with frequency-dependent IQ calibration and integrated interference analyzer,” ISSCC 2018, no.28-1, pp.442-444, Feb. 2018.

区切

スマートメータ用無線通信システムに関する研究開発・標準化・実用化

受賞者 原田博司 受賞者 児島史秀 受賞者 神田 充

 電気,ガス等ライフラインに通信機能付きのメータを設置し,自動検針遠隔遮断,課金等の効率的な利用制御を可能とするシステムが,スマートメータリングシステムである(図1).このスマートメータに搭載する無線機は導入当初様々な検討が行われており,屋外に設置するスマートメータ間の通信においても十分なエリア(1km以上)を確保でき,低消費電力であり,各メーカ間で相互接続性があり,かつ国際標準化されたものが求められた.しかし,その当時そのようなものは存在せず,通信機能部の低廉化が実現されていなかった.

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 受賞者(原田,児島)は,通信距離1km以上を実現し,電池による数年から10年程度のオペレーションが可能な物理層フレーム構成,低消費電力MAC層方式を研究開発し,国際標準規格 IEEE 802.15.4g,4e規格,ANSI/TIA-4957規格として国際標準化した.当該標準規格において多くの技術貢献を行い,特に受賞者(原田)が提案したフレーム同期符号は強制規格として採用された.現在このフレーム同期符号は,IEEE 802.15.4g準拠の全ての無線ICに搭載されている.受賞者(原田・児島)はこの IEEE 802.15.4g,4eに準拠した小形省電力無線機の開発に2012年3月に世界で初めて成功した(図2(a)).加えて受賞者(原田)は,IEEE 802.15.4g規格及びTIA TR-51規格を制定する標準化委員会において,副議長等要職に就き運営でも国際標準に貢献した.

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 受賞者らは,更に同規格を用いた無線システムに対する技術仕様,相互接続試験仕様を策定,認証する機関であるWi-SUNアライアンスを日本発で立ち上げ,同規格の普及促進を自ら行った.同アライアンスは2012年に9社で構成されていたが,2018年1月時点で全世界170社を超える企業で構成されている.同アライアンス内においては,スマートメータと企業や家庭内(宅内)エネルギー管理システムとの間(HEMS)の無線通信用(これは電力会社ではBルートと呼ぶ)のWi-SUN通信規格を作るワーキンググループを立ち上げ,物理層,MAC層のみならず通信認証を含むネットワーク層以上の仕様も主体的に策定した.受賞者(原田及び神田)は,それぞれ同ワーキンググループの議長及びテクニカルエディタを務めた.また,2014年1月に世界初のWi-SUNアライアンス認証無線機の開発に成功した(図2(b)).

 受賞者らはこれに加え,電力メータ向けの技術基準適合性,相互接続性のあるWi-SUN規格を,情報通信委員会(TTC)JJ300.10として国内標準化した.このWi-SUN規格は,全国の電力会社が整備中のスマートメータと企業や家庭内(宅内)エネルギー管理システムとの間(HEMS)の無線通信方式として採用されることが経済産業省JSCAにより決定され,2013年10月に2,700万台のメータを有する東京電力株式会社のスマートメータリングシステム(Bルート)に採用された(図2(c)).同社においては,Bルートのみならず,メータ間を接続してネットワークを構築する A ルートにおいても IEEE 802.15.4g規格が採用されている.その後この IEEE 802.15.4gをベースとするWi-SUN規格は全国の電力会社に採用され,2016年度終了時点でWi-SUN搭載のスマートメータは2,000万台以上が導入され,今後8,000万台まで導入される予定である.また,Wi-SUN通信規格搭載通信モジュール及びモジュールを搭載IoT用ゲートウェイは商用化され,一般販売されている.これらの成果は,文部科学大臣表彰科学技術賞(2014),内閣府産学官連携功労者表彰総務大臣賞(2014)など高く評価されている.

 以上,受賞者らは,スマートメータ用無線通信システムに関して研究,開発,国内,国際標準化,商用化を完全に行い,数千万を超えるスマートメータ用の無線機市場新規創出に多大な貢献をしており,その業績は誠に顕著なものがあり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) H. Harada, K. Mizutani, J. Fujiwara, K. Mochizuki, K. Obata, and R. Okumura, “IEEE 802.15.4g based Wi-SUN communication systems,” IEICE Trans. Commun., vol.E100-B, no.7, pp.1032-1043, July 2017.

(2) L. Lu, H. Harada, R. Funada, and C.S. Sum, “Design of the start-frame-delimiter pair for 802.15 smart utility network system,” IEICE Trans. Commun., vol.E96-B, no.3, pp.730-736, March 2013.

(3) 児島史秀,原田博司,“IEEE 802.15.4g/4e準拠SUN無線機を用いるスマートメータネットワークの検討と実証,”信学技報,RCS 2012-139, SR-2012-59, AN2012-33, USN2012-36, pp.87-92, Oct. 2012.

(4) 児島史秀,原田博司,“IEEE 802.15.4g/4eドラフト準拠マルチホップSUNにおける省電力型スーパーフレームの特性評価と実証,”信学技報,NS 2011-134, RCS2011-247, pp87-92, Dec. 2011.

(5) 経済産業省,“JSCAスマートハウス・ビル標準・事業促進検討会資料HEMS-スマートメータBルート(低圧電力メータ)運用ガイドライン資料【第2,0版】,”Sept. 2014.

区切

複数ベンダのEPCソフトウェアが動作可能なネットワーク仮想化技術の商用化

受賞者 音 洋行 受賞者 内山靖之 受賞者 尾花和昭

 スマートフォンの急速な普及により,データ通信トラヒックの増大が続いている.また,SNS,映像配信,eコマース,スマートメータ等,様々なビジネスのモバイル対応が進んでいる.5G,IoT時代を見据えてこれらのトレンドはますます加速することが想定される.このような状況の中,大規模災害にも強く社会インフラとしての信頼性を確保すること,また,産業のディジタル変革を支える通信インフラとして,いつでもつながるネットワークサービスをリーズナブルなコストで提供することは,通信キャリヤの多くが共有する課題である.受賞者らは上記課題を解決するため,図1に示すように,通信キャリヤのネットワークに対して仮想化技術を適用するネットワーク仮想化(NFV: Network Functions Virtualisation)を商用化した.NFVは,ハードウェアリソース(CPU/メモリ/HDD)を論理的に統合・分割してリソースプールとみなし,様々な通信ソフトウェアを共用の汎用ハードウェア上で動作可能とする技術である.これにより,通信混雑時に自動的に容量を追加することでつながりやすさの向上を実現する.また,ハード故障時においては二重化運転へ自動復帰することで高い信頼性を実現できる.更に,新サービスを導入する際にハードの準備が不要となり迅速化が図られる.加えて,専用ハードではなく市販機器を活用することで経済性が向上する.

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 受賞者らは,ETSI ISG NFVにおいて,ネットワーク仮想化の国際標準化を推進した.仮想ネットワークを管理・オーケストレーションするための参照アーキテクチャの確立と関連レポートのリリースに寄与した.更に,これまでに350件以上の寄書を提案・承認され,Stage 2の仕様書(8仕様書),Stage 3の仕様書(2仕様書)のリリースに貢献している.また,OPNFV(Linux Foundation配下)においても最上位メンバーの一員として中心的な役割を果たし,仮想化プラットホームのリファレンス実装を推進した.

 また,実用化においては,受賞者らは単一ベンダの実証実験,複数ベンダの組合せ実証実験を通じ,技術的な実現性を検証した.その後,国際標準に準拠して複数ベンダのソフトウェアを動作させるため実装仕様を明確化し,複数ベンダEPCソフトウェアが可能なネットワーク仮想化技術を2016年3月に世界で初めて商用化した.

 本業績はNFV市場における世界の先行事例となった.NFV市場の年平均成長率は,2016年以降,約40~50%と見込まれており(Signals and System Telecom社調査レポート,2016.5,ABI Research社メディアリリース,2017.5),キャリヤネットワーク変革のロールモデルとなった.本実用化による移動通信業界への貢献は大きく,受賞者らの功績は極めて顕著であり,本会業績賞にふさわしいものである.

文     献

(1) カーンアシック,榑林亮介,尾花和昭,“ネットワーク機能仮想化の標準化動向,”信学技報,RCC2016-30, RCS2016-117, SR2016-47, ASN2016-38, NS2016-67, pp.89-92, July 2016.

(2) 音 洋行,深江誠司,内山靖之,尾花和昭,“通信ネットワークにおける仮想化技術の適用,”NTT DOCOMOテクニカルジャーナル,vol.24, no.1, pp.6-11, April 2016.

(3) 榑林亮介,カーンアシック,尾花和昭,“NFVの標準化に向けた取組み,”NTT DOCOMOテクニカルジャーナル,vol.24, no.1, pp.12-19, April 2016.

(4) 鎌田 亨,久野友也,田村宏直,岩見屋 宏,“ドコモネットワークにおける仮想化基盤システムの実用化,”NTT DOCOMOテクニカルジャーナル,vol.24, no.1, pp.20-27, April 2016.

(5) 岡崎裕介,北出卓也,吉田泰輔,“NFVを実現するためのSDN技術の導入,”NTT DOCOMOテクニカルジャーナル,vol.24, no.1, pp.28-34, April 2016.

(6) 伊藤 健,原田 翔,菊田 学,内山靖之,“オンデマンドNWサービス提供に向けたSDN NW保守運用機能検討,”信学ソ大,no.B-6-17, Sept. 2017.

区切

アンテナ・伝搬における設計・解析手法に関する教育活動への貢献

受賞者 手代木 扶

 受賞者はアンテナ・伝搬分野における優れた研究者であり,衛星搭載マルチビームアンテナの研究開発により平成9年度本会業績賞を受賞している.

 科学立国である日本において,その世界的な地位を維持するためには,個々の分野の研究及び技術水準の向上が重要であることは言うまでもない.受賞者はこの水準向上のためには,それを支える裾野を広げることが重要であると常々考えていた.富士山の頂は広大な裾野の広がりによって支えられていることと同じである.本会は各ソサイエティにそれぞれ多くの研究専門委員会があり,それらがほぼ毎月研究会を開催し,会員に広く研究成果発表の場を提供しており,これが我が国の電子,情報,通信分野の研究及び技術の水準向上に多大な寄与をしている.研究専門委員会は我が国独自の優れたシステムではあるが,受賞者は,これが限られたアクティブな研究者の活動の場になっており,より広い層の研究者や技術者を引き込まなければ研究会の大きな発展は難しいという問題意識を持っていた.これが研究の裾野を広げるということである.

 そこで受賞者は,1993年に通信ソサイエティアンテナ・伝播研究専門委員会委員長に就任して以来,アンテナ・伝搬分野に携わる大学の学生や企業の若手研究者,技術者の専門能力向上のための新しいワークショップ「アンテナ・伝搬における設計・解析手法ワークショップ(以下AP研WS)」を企画した.本WSの特徴の一つは,当該分野の専門家で構成される実行委員会を設置した上で,この委員会が受講者の立場に立って内容を精査し,その結果をテキストに反映させることである.もう一つはテキストを事前に受講者に配布し十分な予習を経た後に講義に参加することを求めたことである.更に必要に応じて受講者が持参したノートPCで電磁界解析シミュレーションを実施したり機材を使って実験を行ったりして内容の充実を図った.第1回目のAP研WSは1994年11月24日蔵前工業会館において開催された.申込開始直後に70名の定員にすぐさま達するなど高い期待が寄せられ,またその高い講義レベル及び完成度は参加者に大好評を得た.AP研WSは,それ以降基礎から応用までの様々なテーマについてシリーズとして継続的に開催されている.受賞者自身も1999年に講師を務めている.2017年10月までに計78回のAP研WSが開催(1)されており,これまでの延べ受講者数は約5,000人に上る.その結果これまで学会で研究発表をしたこともなかった機関や企業からの参加や発表が次第に増え,当初受賞者が目指した研究の裾野を広げることに成功した.

 更に,このAP研WSには副次的な効果が幾つか生まれている.ワークショップ講義用に作成されたテキストを基に,教科書となる技術書籍が合計10冊以上発刊されている(2)(12).更に,AP研WSの一部は,海外,特に発展が目覚ましいアジア諸国において,英語でも開催されており,アジア諸国におけるアンテナ・伝搬及びその関連分野の研究及び技術水準の向上に大きく貢献している.このように,受賞者が創設したアンテナ・伝搬分野におけるワークショップは,その後,同分野の若手研究者に引き継がれ,我が国の本分野発展の礎となっている.

 以上のように受賞者が創設したAP研WS開催による分野の裾野を広げる活動は確実に成果を上げており,その先見の明と献身的な活動は業績賞に該当する極めて大きな業績であると考えられる.

文     献

(1) http://www.ieice.org/cs/ap/jpn/index.php?ws

(2) 宇野 亨,FDTD法による電磁界およびアンテナ解析,コロナ社,東京,1998.

(3) 菊間信良,アレーアンテナによる適応信号処理,科学技術出版,東京,2004.

(4) 唐沢好男,ディジタル移動通信の電波伝搬基礎,コロナ社,東京,2003.

(5) 大鐘武雄,小川恭孝,わかりやすいMIMOシステム技術,オーム社,東京,2009.

(6) 岩井誠人,移動通信における電波伝搬 無線通信シミュレーションのための基礎知識,コロナ社,2012.

(7) 高橋応明,RFIDタグ用アンテナの設計,コロナ社,東京,2012.

(8) 石井 望,アンテナ基本測定法,コロナ社,東京,2011.

(9) 西森健太郎,マルチユーザMIMOの基礎,コロナ社,東京,2014.

(10) 白井 宏,幾何光学的回折理論,コロナ社,東京,2015.

(11) 今井哲朗,電波伝搬解析のためのレイトレーシング法 基礎から応用まで,コロナ社,東京,2016.

(12) 宇野 亨,何 一偉,有馬卓司,数値電磁界解析のためのFDTD法 基礎と実践,コロナ社,東京,2016.

区切


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