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解説
植物工場のソリューション
――農業技術と工業技術の融合した植物工場について――
Plant Factory Solution: Plant Factory by Fusion of Agricultural Technology and Industrial Technology
abstract
近年の異常気象(夏期の高温,集中豪雨,竜巻等)の多発や就農者の高齢化など,農作物生産現場を取り巻く環境は厳しさを増しており,日本における農作物生産は大きな転機を迎えようとしている.人工光型植物工場システムは,安心安全な野菜を天候など外部要因によらず安定して供給することが可能であり,また,異物混入もなく生菌数も少ないため,長期保存が可能であるなど,近年大きく注目を集めている.本稿では,家電製品事業化で培った工業製品製造ノウハウを活用した「植物工場プラント開発」と植物工場に特有の栽培技術をパッケージ化した「栽培レシピ開発」の両面でこれらの課題の解決を図っており,その内容について紹介する.
キーワード:植物工場,安定生産,環境制御,省力化
民生用家電商品の商品/生産技術開発及びものづくり運営で培った技術を様々な事業領域に応用することで,個人にとってのより良い暮らしと,社会課題解決によるより良い世界の追及が可能である.アグリの分野においても,商品開発・生産技術開発・生産/品質管理・工場運営ノウハウ等の,従来ものづくりの中で使われてきた工業系技術の応用により効率化・データ化を図り,農業の高度化を実現することが可能であると考え,取組みを推進している.
例として,現在のパナソニックグループのアグリ分野取組み概要を図1に示す.従来型の既存農業分野においては,1967年から取り組んでいる病害虫防除照明のほか,防霜ファン,換気扇,送風扇,農業用ヒートポンプ空調,浄水・排水処理装置を提供している.更には,ロボット技術を応用したパワーアシストスーツの農業展開にも取り組んでおり,従来農業の分野においても役立つ範囲を広げている.
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