小特集 3. IoT社会とメイカー活動・アマチュア精神について――秋葉原と深圳との差異から見える「個人レベルのものづくり」――

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回路とシステムの研究を「社会実装」するまで

小特集 3.

IoT社会とメイカー活動・アマチュア精神について

――秋葉原と深圳との差異から見える「個人レベルのものづくり」――

IoT Society, Maker Movement, and Amateurism

茂田克格

茂田克格 有限会社アモニータ

Katsunori SHIGETA, Nonmember (amonita inc., Tokyo, 150-0002 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.11 pp.1013-1017 2019年11月

©電子情報通信学会2019

abstract

 IoTやロボットなどの領域において,世界的に「ハードウェアスタートアップ」や「メイカー活動」をしている方による,限定された目的のための少量生産ハードウェアが注目されている.こうしたものは既存企業の品質管理・収益体質ではなかなか製品化までこぎ着けにくい面がある中で,個人的なものづくり活動がどのように関わってゆけるか,その現状や展望について考察する.

キーワード:メイカー活動,Maker Faire,スタートアップ,秋葉原,深圳

1.はじめに――深圳という街――

 この数年,中国・深圳市がテレビなどのメディアで紹介される機会が増えている.深圳には,近年急激に進化したテクノロジーである「スマートフォン」,「IoT」,「電気自動車」,「ドローン」などの分野において世界的な有名企業が立地している.AppleのiPhoneは深圳にあるフォックスコンの大規模な工場で生産されており,Androidスマートフォンや携帯電話の基地局システムのHuawei,ドローンのDJI,普及価格の電気自動車を生産するBYDなどの企業は全て深圳を本拠地にしている.更にそれに加えて,名もなき無数の中小企業も集結している.

 筆者は長らく中小企業の業務システム開発及びコンサルティングを行っており,それとは別に,個人的に,子供の頃から電子工作を趣味としてきた.一方,近年「IoT」という言葉が流行するのに伴って,「ちょっとしたハードウェアを考案し作成すること」がビジネスになり得る状況となってきた.このような近年のIoTを取り巻く状況を踏まえ,最近は本職をIoTとハードウェアに関連する分野に方向転換している.それに伴い,深圳には毎月のように通っており,「ものづくり」における深圳と日本の差異について,あるいは日本人として今後どのような意識を持ってゆけばよいかについて日々考えている.本稿では,筆者のこれまでの知見に基づいた,特に小規模・個人レベルの「ものづくり」の現状と将来について考察する.

2.深圳の電気街「華強北」

 深圳には「世界最大の電気街」と呼ばれる華強北(ファーチャンペイ)というエリアがある.華強北には,間口2m程度の小間店舗が無数に入ったビルが10数棟も林立している.ここは,メディアでは「秋葉原の30倍の規模」などと表現されるが,現実には性格の違いも含めてより大きな違いがある(図1).

図1 深圳の電気街「華強北」


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