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回路とシステムの研究を「社会実装」するまで
小特集 5.
専門的な情報を非専門家へ伝える方法についての技術雑誌から見た考察
Consideration from the Technical Magazine about How to Introduce Specialized Information Easily to Non-experts
abstract
インターネット時代は集合知の時代でもあり,専門的・学術的な研究の重要性は高まるばかりである.そして専門的な情報は,非専門の人にも興味を持ってもらえることで,その可能性が大きく高まる.しかし,専門的な情報に対して,既に「興味がある」専門家や専門家の卵に向けた情報発信と,まだ「知らない」「興味が薄い」非専門の人に向けた情報発信では,その方法,考え方が大きく異なる.
本稿では,そのような専門的情報をコンテンツとして非専門の人に伝える方法について,コンピュータ技術雑誌「Interface」の編集長としての筆者の経験と,それに基づく考察について述べる.
キーワード:専門書,雑誌,Interface
インターネット時代は集合知の時代でもあり,専門的・学術的な研究の重要性は高まるばかりである.そして専門的な情報は,非専門の人にも興味を持ってもらえることで,その可能性が大きく高まる.しかし,専門的な情報に対して,既に「興味がある」専門家や専門家の卵に向けた情報発信と,まだ「知らない」「興味が薄い」非専門の人に向けた情報発信では,その方法,考え方が大きく異なる.
筆者は,これからのコンピュータ技術を,実験を交えて紹介する月刊誌「Interface」(CQ出版社)の編集長を7年務めている.その過程で,専門的な情報を,できるだけ多くの人に興味を持ってもらうことの価値やそのためのテクニックについて多くの経験を積んできた.本稿では,それらについて紹介する.なおこれらの知見は,記事や雑誌,書籍を例とするが,一般的なコンテンツやメディアにも通じる話であると思われる.
一般に,専門的な情報は,内容が専門的になればなるほど,興味がある人が少なくなる.逆に,内容が専門的になればなるほど,興味がある人が多くなる内容は,もはや専門的情報とは言えない.
専門性の度合いが高い情報に対して興味がある専門家ほど,その興味の度合いが高いとすると,興味を持っている度合いとその人数は,図1のようなピラミッド形となるはずである.すなわち大多数の人は,その専門的情報について,まだ興味すら持たない状況である.本稿では,この状況を議論のスタート地点とする.
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