小特集 1. 新たな展開を見せる衛星通信・放送・応用技術

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Vol.102 No.12 (2019/12) 目次へ

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新たな展開を見せる衛星通信・放送・応用技術

小特集 1.

新たな展開を見せる衛星通信・放送・応用技術

New Era of Satellite Communications/Broadcasting/Application Technologies

山下史洋 辻 宏之 筋誡 久

山下史洋 正員:シニア会員 日本電信電話株式会社アクセスサービスシステム研究所

辻 宏之 正員:シニア会員 国立研究開発法人情報通信研究機構ワイヤレスネットワーク総合研究センター

筋誡 久 正員 日本放送協会放送技術研究所

Fumihiro YAMASHITA, Senior Member (NTT Access Network Service Systems Laboratories, NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE CORPORATION, Yokosuka-shi, 239-0847 Japan), Hiroyuki TSUJI, Senior Member (Wireless Network Research Institute, National Institute of Information and Communications Technology, Koganei-shi, 184-8795 Japan), and Hisashi SUJIKAI, Member (Science & Technology Research Laboratories, Japan Broadcasting Corporation, Tokyo, 157-8510 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.12 pp.1076-1079 2019年12月

©電子情報通信学会2019

1.は じ め に

 世界の宇宙産業はここ10年で2倍程度に拡大している.2017年に我が国の宇宙政策委員会が掲げた宇宙産業ビジョン2030のポイントとしては,①宇宙産業は第四次産業革命を進展させる駆動力,他産業の生産性向上に加えて,成長産業を創出するフロンティア,安全保障上も基盤,②宇宙技術の革新とビッグデータ・AI・IoTによるイノベーションの結合,小型化等を通じたコスト低下による宇宙利用の裾野拡大,③民間の役割拡大を通じ,宇宙利用産業も含めた宇宙産業全体の市場規模の2030年代早期倍増を目指す,という三つが掲げられている(1)

 最近の衛星通信・放送・応用技術のトレンドを図1に示す.通信衛星においては,これまでの主役であった静止衛星に加えて,低軌道や中軌道に衛星のコンステレーション(用語)を配置する非静止衛星構想が数多く進められている.近年では更に軌道を下げ,成層圏プラットホームステーション(HAPS: High Altitude Platform Station)や無人航空機システム(UAS: Unmanned Aircraft System)の利用検討も行われている.関連して大容量化・高速化・秘匿性の観点で優れた光衛星通信の研究開発や,地上でサービスが開始された5Gと衛星通信の連携検討が進められている.一方で,衛星放送も進化を遂げており,4K/8K放送サービスの開始など,映像・音響の高臨場感化が進んでいる.また,別の視点では小型衛星で撮影した衛星画像が比較的安価に入手できる時代になり,AIと組み合わせてマーケティングや災害対応,都市計画などで利用されている.このように衛星通信・放送・応用技術は近年新たな展開を見せている.


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