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小特集
グローバル科学社会シリーズ
──英国編──
編集チームリーダー 衣斐信介
グローバル科学社会シリーズの企画は,グローバル競争(共存)社会を生き抜く上で,電子情報通信というある特定の分野を視点として,お互いを理解するために必須な社会システムや考え方の中にある違いに着目し,更にお互い学ぶべきこと,改めるべきことを見つけられるように企画したものである.シリーズ第1回の2018年2月号小特集インド編に続き,第2回として英国に焦点を当てた.
英国では2016年6月に欧州連合離脱是非を問う国民投票を行い,欧州連合からの脱退,いわゆる「Brexit」が決まったことは記憶に新しい.Brexitがどのような最終決着を迎えるかはいまだに不透明であるものの,グローバル化というものを今一度見直すいい機会となった.グローバルな視点とは,単純に世界各国の動向に迎合することではなく,その動向を捉えた上で国益(利益)最大化のため「したたかに」立ち回ることであることを示唆しているのがBrexitなのかもしれない.誤解を恐れず言い切ると,グローバル化の本質は,それを背景にいかにしてローカル化(自国第一主義)をするかが肝であると捉えることもできる.(ただし,この考えの是非については本小特集の対象外とさせて頂きたい.)昨今の欧米諸国の政策・意思決定にはこのようなローカル化が垣間見られる.
今回,英国と関わりの深い科学者・研究者に寄稿して頂いたエッセイから,英国から学ぶべき「したたかさ」の背景を理解したいと思う.また,無線通信分野で著名な研究者・教育者であるサウサンプトン大のLajos HANZO教授から,移動体通信システムのグローバル化動向を背景に,日本の研究者へ向けたメッセージを頂いた.
最後に,本小特集を編集するにあたって,筆者でもあるGoogle Brainシニアスタッフリサーチサイエンティストの全 炳河氏に大変多くの御指導を得たことに深く感謝したい.
小特集編集チーム
衣斐 信介 糸田 純 川喜田佑介 石原 智宏 井口 寧 今田 美幸 牛久 祥孝 小林 由枝 塩田 茂雄 關根 惟敏 高田 潤一 中村 祐一 松浦 基晴 松嶋 功 茂呂征一郎 山中 直明 渡辺 正裕
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