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創造性・芸術性におけるAIの可能性
小特集 7.
クリエイターとAI
――AI化するヒト――
As Humans Become “AI”
abstract
現在のAIをはじめとするテクノロジーは,我々人間の身体性を目に見えない形で規定するが,このことによりヒトのAI化,すなわち人間がテクノロジーに組み込まれていくといった状況が起きている.テクノロジーの進展により,言語/食/性などの文化的とされている領域において,従来の価値観が無効化される現象が起きている中で,クリエイターの役割は,目に見えない構造を可視化することを通じて,多様な価値観の可能性を見いだすことである.
キーワード:メディアと身体性,環境管理型権力,創造性,多様性のある価値観
筆者の所属する(株)ネイキッド(以下ネイキッド)は,ディジタルによる映像/デザイン制作のプロダクションとして1997年に村松亮太郎を中心に設立され,筆者は創業メンバーとして参加した.ネイキッドは設立以来,クリエイティブの分野において幅広く活動を続けている.
1990年代後半の設立から2000年代前半までは,平面であるデザインと,時間軸を持った映像を,ディジタルによって分け隔てなく制作することを強みとして活動を行っていた.具体的にはロゴなどのデザインを行い,そのロゴを動かすといったモーショングラフィックスの分野である.更に3DCGによる映像制作や,撮影~編集といった旧来の映像制作プロセスをチーム内で一貫して実施することにより,“統合的な映像クリエイティブを提供するプロダクション”がネイキッドの初期の位置付けであった.
ネイキッド設立当時のビデオ制作環境は,商業的な品質を担保するにはまだ力不足であった.従来のフィルムベースの映画製作用機材は依然高価であり,小規模のチームが映画を制作することには高いハードルが存在していた.しかし,ジョージ・ルーカスがディジタルプロセスによる「スター・ウォーズ エピソードⅡ」の制作を発表すると,関連技術は急激に発展した.主にはムービーカメラの高解像度化と,プロジェクタの高解像度化/高輝度化である.こうした恩恵を受けながら,ネイキッドのようなインディペンデントな制作チームも映画制作が可能となったのである.
ディジタルによる映画制作の普及に伴い,国内外で高輝度/高精細化したプロジェクタを使った新しい表現方法が模索されるようになっていった.代表的な手法が3Dプロジェクションマッピング(以下,3DPM)である.
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