解説 ネットワークアナライザを利用したアンテナ測定の基礎と応用

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解説

ネットワークアナライザを利用したアンテナ測定の基礎と応用

The Basics and Application of the Antenna Measurement Using a Network Analyzer

笹森崇行

笹森崇行 正員:シニア会員 北海学園大学工学部電子情報工学科

Takayuki SASAMORI, Senior Member (Faculty of Engineering, Hokkai-Gakuen University, Sapporo-shi, 064-0926 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.4 pp.342-345 2019年4月

©電子情報通信学会2019

abstract

 高機能・高精度な測定器であるネットワークアナライザは,汎用性が高いことから電子機器の製造や開発,研究分野に限らず,材料分野等のインピーダンスや誘電率の測定にも利用されている.ネットワークアナライザは,被測定デバイスへの入力信号に対して,同じポートに戻る反射信号や異なるポートから出力する伝送信号との振幅と位相の差を測定することでS行列を求める測定器である.本稿では,ネットワークアナライザを利用したアンテナ測定技術について,基礎から最新の技術までを解説する.

キーワード:ネットワークアナライザ,入力インピーダンス測定,放射パターン測定,利得測定,Sパラメータ法

1.は じ め に

 高機能で高精度な測定器であるベクトルネットワークアナライザ(VNA: Vector Network Analyzer)は,高周波で使用されるフィルタ,アイソレータ,サーキュレータ,アンプ,ミクサ,水晶振動子やコネクタ,ケーブル,アンテナといった電子機器・部品の製造や開発,研究分野に限らず,誘電体材料,食品,木材,セメント等の材料・製品分野でもインピーダンスや誘電率の測定等に利用されている(1).VNAは,被測定デバイス(DUT: Device Under Test)へ入力した入力信号に対して,同じポートに戻ってくる反射信号,並びに異なるポートから出力する伝送信号との振幅及び位相の差を測定してS行列を求める測定器である.測定周波数範囲は機種によって異なり,下限周波数はkHz程度から上限周波数はTHz程度までのものが市販されている.アンテナ測定にVNAを利用することにより,反射係数や電圧定在波比,入力インピーダンス,利得,群遅延等の特性が測定できる.

2.ネットワークアナライザの基礎


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