特集 1-1 Society 5.0におけるIoTの役割

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Vol.102 No.5 (2019/5) 目次へ

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1. IoTの概要

特集1-1

Society 5.0におけるIoTの役割

Roles of IoT for Society 5.0

坂中靖志

坂中靖志 総務省国際戦略局

Yasushi SAKANAKA, Nonmember (Global Strategy Bureau, Ministry of Internal Affairs and Communications, Tokyo, 100-8926 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.102 No.5 pp.378-382 2019年5月

©電子情報通信学会2019

abstract

 今,日本,そして世界は,AI,IoT,ビッグデータなどが引き起こしつつある第四次産業革命によって,「Society 5.0」という,狩猟,農耕,工業,情報に続く第5の社会へのパラダイムシフトが起きている激動期にある.Society 5.0の実現には,全ての人と‘もの’とをつなげて様々なデータを流通・共有するIoTを核として,サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることが欠かせない.本稿では,IoTに期待される役割や展望に関して,政府全体の動向とそれを踏まえた総務省の取組みを紹介する.

キーワード:情報通信政策,Society 5.0,IoT,AI,CPS

1.は じ め に

 今,日本,そして世界は,AI,IoT,ビッグデータなどが引き起こしつつある「第四次産業革命」によって,「Society 5.0」と呼ばれる社会へのパラダイムシフトが起きている激動期にある.

 このような中,我が国は世界に先駆けて深刻化する人口減少や少子高齢化といった社会課題を解決し,国際的な競争力を維持・強化し,地方の活性化と持続的な経済成長を達成することが求められている.

 政府の科学技術政策の指令塔である「総合科学技術・イノベーション会議」は,「第5期科学技術基本計画」においてSociety 5.0の概念を提唱し,その実現に向けた取組みを強化している.

1.1 第5期科学技術基本計画

 「科学技術基本計画」は,「科学技術基本法」に基づく我が国の科学技術の振興に関する中期計画である.

 2016年度から開始された第5期科学技術基本計画では,自ら大きな変化を起こし,改革時代を先導していくため,非連続なイノベーションを生み出す研究開発を強化し,新しい価値やサービスが次々と創出される「超スマート社会」を世界に先駆けて実現するための仕組み作りを強化することとしており,その具体的な取組みとして「Society 5.0」を打ち出している(1)

1.2 Society 5.0

 Society 5.0の概念を整理すると,狩猟社会,農耕社会,工業社会,情報社会に続く,以下のような新たな経済社会である.

サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させることにより,

地域,年齢,性別,言語等による格差なく,多様なニーズ,潜在的なニーズにきめ細かに対応した‘もの’やサービスを提供することで経済的発展と社会的課題の解決を両立し,

人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることのできる,人間中心の社会.


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