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1. 生体機能の計測・評価に関連する各分野の現状
小特集
1-2 身体動作の計測・評価
1-2-1筋音図を用いた身体動作の計測・評価
Measurement & Evaluation of Body Motion with Mechnomyogram
abstract
筋活動の計測・評価において,電気的情報の筋電図(EMG)とその応答である機械的情報として筋音図(MMG)がある.MMGは筋線維の収縮で発生したせん断応力を皮膚表面での圧力波として捉えたもので,音響(振動)信号である.それぞれ優位な場面があることから,同時計測が可能な「MMG/EMGハイブリッドセンサ」を開発した.共通の評価指標は振幅とパワースペクトルの基礎統計量で,MMGでは加速度と変位を加えた.動的運動時への応用,特に,回復期リハビリテーション過程における新たな指標として期待された.
キーワード:筋音図,MMG,筋収縮,筋電図
筋は運動神経からの電気的パルスが神経筋接合部を経て筋表面に伝達され,T管,筋小胞体,Ca2+,トロポニンを介して,アクチン,ミオシンの運動を誘導する.一方,筋線維は隣り合う線維同士が細胞骨格で連結され,筋収縮は線維を覆う筋内膜や筋外膜等に伝えられる.その際,筋線維から発生する活動電位を捉えたものが表面筋電図(EMG: Electromyogram)であり,一方で筋線維に対して発生したせん断応力は側方への圧力波として,皮膚表面に伝搬する(1)(図1).この圧力波を皮膚表面に置いた加速度計やマイクロホン,変位計等で捉えたものが筋音図(MMG: Mechanomyogram,AMG: Acoustic Mechanomyogram)である.それぞれのセンサを用い,加速度信号を測定したMMGは加速度筋音図(aMMG: acceleration MMG),変位の場合は変位筋音図(dMMG: displacement MMG)と呼ばれる.したがって,複数のMMGセンサを筋線維方向に配置すると時間的伝搬の様子を捉えることができ,またセンサを二次元的に配置すると,筋収縮の時空間的分布を得ることができる(2).一方,筋の収縮機能を詳細に評価するためには,筋の収縮を誘発する電気信号である筋電図(後述)と,その結果生じる機械的信号である筋音図を同時に計測することは重要である(3).
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