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1. 生体機能の計測・評価に関連する各分野の現状
小特集
1-3 疲労とストレスの計測・評価
1-3-1電気生理運動学を用いた肉体的疲労の計測・評価
Measurement & Evaluation of Physical Fatigue with Electrophysiology and Kinesiology
abstract
長い時間スポーツをしてよく筋肉を使うと疲れを感じる.この筋疲労はスポーツのパフォーマンスに影響を与えるために,定量的評価を行いプレースタイルの改善に反映されることが望まれている.表面筋電図を用いた筋疲労評価方法は幾つかあるが,何を基準に評価方法を選べばよいか悩むことが多い.本稿では,幾つかある表面筋電図の評価方法の特徴,そして見落とされがちな問題点について解説する.
キーワード:表面筋電図,格子状電極,運動単位,伝搬速度,活動電位波形,平均周波数
重いものを長い間持つと筋力が低下する.これが筋疲労である(1).被験者に口頭で筋疲労の程度を尋ねるといった手法は意図的調整が可能な主観的方法であり,客観的な方法が望ましい.古典的な評価方法としては,最大限に発揮できる力(最大随意収縮力:Maximum Voluntary Contraction, MVC)が減少することであるが(2),明確なしきい値や指標は,我々が散見する限り確立されていない.筋疲労を評価する手法としては,筋収縮により生じる微小な振動を記録する筋音図(MMG: Mechanomyogram),筋電図(EMG: Electromyogram),近赤外分光法(NIRS: Near-Infrared Spectroscopy),超音波を用いて筋の形状変化を画像として記録する手法(SMG: Sonomyogram)等が挙げられる(3).本稿では筋疲労の評価方法として古くから幅広く使用されている表面筋電図を用いる方法について,Review(2)を本稿の柱として解説する.
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