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オリンピック,パラリンピックは世界最大のスポーツの祭典である.今年開催される東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,「東京2020大会」と記す.)を楽しみにされている方も多いだろう.
しかし「平和の祭典」というイメージとは裏腹に,現代のオリンピック,パラリンピックは安全・安心の確保が極めて重要な課題となっている.その注目度からテロリズム(以下,「テロ」と記す.)や破壊行為,騒乱を企図する者にとっては格好の標的であり,混雑による事故や混乱,負傷者や急病人の発生といった事態も起こり得る.更に脅威は現実世界だけでなく,サイバー空間にも存在する.
当社は2013年から「パブリックセーフティ先進製品&ネットワーク製品」のカテゴリーで東京2020ゴールドパートナーとなり,「世界一,安全・安心な大会へ」を合言葉に東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下,「組織委員会」と記す.)をはじめ,政府や東京都などの関係機関と連携して東京2020大会の安心・安全の確保に向けた先進技術の活用という面で貢献している.
本稿では東京2020大会やその後の社会を見据えた当社の「パブリックセーフティ」実現に向けた取組み,すなわち先進技術を活用した都市や地域,人々の安全・安心の確保に向けた技術やシステムを紹介する.
オリンピック,パラリンピックに対する脅威として第1に挙げられるのはテロである.
オリンピック,パラリンピックは大規模スポーツイベントの中でも特に国際的な注目を集めるイベントであり,何度もテロの標的とされてきた(表1)(1).
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