特別小特集 6. AI時代のブロックチェーン最前線と地域活性化への活用提案

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Vol.103 No.10 (2020/10) 目次へ

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特別小特集 6. AI時代のブロックチェーン最前線と地域活性化への活用提案 Recent Topics of Blockchain Application and Proposals for Regional Application 古瀬正浩

古瀬正浩 正員 (株)インテック先端技術研究所

Masahiro FURUSE, Member (Advanced Technology Research and Development Institute, INTEC Inc., Takaoka-shi, 933-0874 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.103 No.10 pp.1003-1007 2020年10月

©電子情報通信学会2020

1.は じ め に

 「ブロックチェーン」という言葉が注目されて久しい.仮想通貨ビットコイン(用語)の取引記録形式として登場したブロックチェーンは,複数の取引データをブロックにまとめ,前のブロックとリンクさせてチェーンのようにつないだ構造を持つ.改ざん困難,透明性がある,システムが停止しにくいといった特徴を持つ.フィンテック(用語)の文脈で注目されたブロックチェーンは,2015年度にはフィンテックの次の技術として非金融分野への応用が議論されている(1).登場したときの期待が高過ぎた反動なのか,2019年は幻滅期にあると言われる(2).一方で,ブロックチェーンに注目する企業は依然として多く,企業の65%が世の中を変える技術として将来に大きな期待を寄せている(3)

 ブロックチェーンが期待される理由は,ブロックチェーンがこれまでの情報システムにない次の特徴を持つことによる(図1).

同一データを共有する分散台帳技術である

価値の交換を中央管理者なしで実現した

止まらない,改ざん困難,監査性がある

この特徴を生かしたシステムが幾つも試みられ,実証実験を経て実システムが登場してきている.

図1 中央集権型と分散台帳型アーキテクチャ


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