小特集編集にあたって

編集チームリーダー　高橋応明

　人々の行動範囲の拡大，多用途化に伴って，電話が携帯電話，スマートフォンと変わったように，全ての‘もの’がワイヤレスでつながる社会にダイナミックに変化してきている．自動車や電車，飛行機内でもインターネットにつながっているのが普通になり，工場や医療，土木などの様々な産業でも機械やセンサがインターネットを使って情報集約したり遠隔制御したりするような時代になった．これは，我が国では内閣府がSociety 5.0（超スマート社会）と提唱している社会である．しかし，これらを利用するのに欠かせない電源については，電池を使うかコンセントにつなぐしか実質的な選択肢がない．まさに，この電源問題を解決するべく様々な技術開発が行われており，その一つとしてワイヤレス電力伝送（WPT: Wireless Power Transmission, Transferと表記する分野もある）がある．