小特集 5. ドローン給電のためのWPTシステム

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Vol.103 No.10 (2020/10) 目次へ

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IoE(Internet of Energy)社会のエネルギーシステム

小特集 5.

ドローン給電のためのWPTシステム

Wireless Power Transmission(WPT)System for Drone Charging

濱田 浩

濱田 浩 東京電力ホールディングス株式会社経営技術戦略研究所

Hiroshi HAMADA, Nonmember (TEPCO Research Institute, Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc., Yokohama-shi, 230-8510 Japan).

電子情報通信学会誌 Vol.103 No.10 pp.1037-1042 2020年10月

©電子情報通信学会2020

abstract

 ドローン(無人航空機)の様々な分野での利用が進む中,活用範囲を広げる上で課題となっているのがバッテリー容量による飛行時間・距離の制約である.この課題に対して,内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)では,ドローンのワイヤレス電力伝送(WPT)による自動充電技術の開発に取り組んでいる.本稿では,SIPにおけるドローンWPTシステムの開発概要・進捗や社会実装に向けた取組みについて紹介する.

キーワード:ワイヤレス電力伝送(WPT),ドローン,電界結合,磁界結合,マイクロ波

1.は じ め に

 ドローン(無人航空機)は,空撮やホビー目的を中心に普及が始まり,昨今は省人・省力化のツールとしてインフラ設備の巡視点検や物流,農業,警備などの産業用での活用検討が進んでいる(1).更に,近年,自然災害が激甚化する中,非常災害時における重要インフラ設備の送配電線緊急ドローン巡視点検など,エネルギーシステムのレジリエンス(強じん化)対応に向けた社会的な価値も高まっている(2)

 このように,ドローンの利用シーンが拡大する中,その活用範囲を広げる上で課題となっているのがバッテリー容量による飛行時間・飛行距離の制約である.ドローンが長時間・長距離を安定して自由に飛び回る社会の実現には,バッテリー問題の解決が重要となる.本課題に対して,バッテリーのエネルギー密度向上(3)や機体の高効率化などの研究開発が進められているが,これらには限界があり,将来の目視外飛行地帯の拡大も視野に入れると,自動充電のニーズが高まってきている.そこで,内閣府が主導する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP: Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)において,ドローンへの自動充電技術として,ワイヤレス電力伝送(WPT: Wireless Power Transmission)システムに関する5か年(2018~2022年度)の研究テーマが立ち上がり,当社を研究責任者とする全8機関での研究を開始した.

 本稿では,SIPでの研究開発の概要・進捗や社会実装に向けた取組みについて紹介する.

2.SIP研究開発の取組み体制

 SIP研究開発の取組み体制を図1に示す.ドローンの充電方法は,駐機時と飛行時の2パターンの充電を想定し,駐機状態で大電力を伝送する近距離・大電力WPTシステムと飛行中に電力伝送する遠距離送電制御WPTシステムを開発する.電力伝送方式としては,駐機時は磁界結合及び電界結合の2方式,飛行時はマイクロ波の方式を取り扱う.

図1 SIPの研究開発推進体制


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