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1. 電気エネルギーシステムの災害対応事例
小特集 1-1
北海道胆振東部地震において電力保安通信ネットワークが果たした役割について
The Role of Communication Networks for Electric Power System in The 2018 Hokkaido Eastern Iburi Earthquake
電力保安通信ネットワークは,電力の安定供給に必要な給電指令や送電線系統保護に利用されており,自然災害が発生した際も確実に機能するよう高い信頼性を目指して設計・構築している.これまでも幾度となく災害に見舞われているが,影響範囲・期間が限定的であったこともあり,機能停止に至るおそれが顕在化することはなかった.こうした中で発生した2018年9月6日の北海道胆振東部地震においては,全域停電(ブラックアウト)という従来の事故を大幅に超える系統事故となったことから,電力保安通信ネットワークの設備構成や信頼度の妥当性検証と今後解決すべき課題を認識する契機になった.本稿では地震発生からブラックアウトを経て電力系統が回復するまでの一連の事象と,その間に電力保安通信ネットワークが果たした役割及び顕在化した課題を述べる.
2018年9月6日(木)3時7分に発生した北海道胆振東部地震に伴う北海道エリアのブラックアウトについて,事象及び復旧の概要を述べる.
北海道胆振地方中東部を震源とする最大震度7の地震に伴い以下の事象が発生した.地震発生からブラックアウトまでの周波数,北海道と本州を結ぶ北本連系設備の潮流推移を図1に示す.
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