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1. 電気エネルギーシステムの災害対応事例
小特集 1-2
令和元年台風15号による電力設備への影響と今後の対策
Impact of Typhoon Faxai on Power Grid Facilities and Countermeasures
令和元年9月9日に千葉市付近に上陸した台風15号(英名:Faxai)は,最大瞬間風速57.5mを観測するなど記録的な暴風となり,電力設備などに大きな影響を及ぼした.本稿では,経済産業省,及び東京電力において行われた検証報告書を引用しつつ,本台風による電力設備の被害と,これに伴う停電及び復旧の状況,及び今後の対策について紹介する.
令和元年台風15号は,9月7日から8日にかけて小笠原近海から伊豆諸島付近を北上,9日3時前に三浦半島付近を通過して東京湾を進み,5時前に強い勢力で千葉市付近に上陸,その後同日朝には茨城県沖に抜けた.当日の台風15号の進路を図1に示す.特に,千葉市では最大風速35.9m,最大瞬間風速57.5mを観測するなど,多くの地点で観測史上1位の最大風速や最大瞬間風速を観測する記録的な暴風により,送配電設備に甚大な被害が引き起こされた.表1に平成30年に関西,中部地方で甚大な被害を引き起こした台風21号との比較を示す.台風15号は気圧傾度が大きく,中心付近で記録的な強風となり,建物被害(全・半壊)軒数で約9倍,がけ崩れ件数で約6倍の甚大な被害となった.
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