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2. 通信システムの災害対応事例
小特集 2-2
ネットワークの耐災害性強化のための通信技術
Communications Technologies to Improve Network Resilience and Recovery against Disaster
光ファイバ通信ネットワークでの,いわゆる「想定外」の災害や障害などに対して二つの方向性で研究に取り組んでおり,冗長化されたネットワークを素早く切り換えるための技術,及び迅速な応急復旧技術を紹介する.
本稿では,障害発生時に従来よりも高速な冗長系への波長パス切換を実現するための弾力的光スイッチング(1)に触れた後に,応急復旧技術として,軽量小形な復旧支援装置を用いた暫定復旧(2),(3),通信キャリヤ(以下キャリヤ)をまたいだ連携による暫定復旧の加速の方法(4),(5)などを紹介する.また,広域災害などによって喪失したネットワーク監視情報の収集・分析機構(6)の実証実験についても解説する.更に,分散データベース機能を内蔵し,光ネットワークだけでなく固定無線アクセス(FWA: Fixed Wireless Access)なども組み合わせたメッシュ状の切れにくい自営ネットワークシステム技術であるNerveNet(7),(8)について紹介し,それを用いた訓練における利用例及び実証事例を紹介する.
広域にわたって大規模なネットワーク設備の毀損・機能不全が生じたときに,サービスの維持のためには冗長系の設備系統を整備することが不可欠である.その上で,物理レイヤでのスムーズな経路切換を可能とするための基盤技術の研究を行っている.具体的には,障害発生時に従来よりも高速で安定した波長パス切換を実現する弾力的光スイッチング技術の研究を進めている.
高速のパス切換に伴う,ノード内の中継増幅器への入力信号変動による出力パワー変動抑圧(9)や,多波長同時切換方式(10)に加えて,波長ごとのパワーレベルのばらつきを平準化する光パワー等化(1)などが基盤技術となる.
図1に光パワー等化技術を含めたノード構成の概念図を示す.光信号スペクトル情報をモニタし,光パワー等化部にて波長多重された光信号のパワーを一括で制御して,8波長の光パスを0.2~2msで高速に等化できることを実証した.
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