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3. 未来に向けたレジリエント・持続可能な電力・通信システムの進化に向けて
小特集 3-3
電力と情報通信のネットワーク基盤融合による超スマート社会の実現に向けて
Towards the Realization of Super-smart Society Based on Electric Power and Information and Communication Converged Network Infrastructure Technologies
人類は「エネルギー」と「情報」にイノベーションを起こすことで,高度な文明社会を創り上げてきた.革新的な技術が生まれることで,その時代の経済や産業構造が大きく変化し,ライフスタイルや価値観に影響を及ぼし,社会に変化を与えてきた.「エネルギー」と「情報」は,社会インフラとして,その重要性が認識されているが,前者は文明の成長限界(1),(2)を提起し,後者は,経済,産業,社会の構造や「エネルギー」の利用形態にまで影響を与える.両者は,いわば文明の要といえよう.
産業革命後,人類のエネルギー消費は文明社会の高度化とともに増大し続け,温暖化による地球規模での気候変動による深刻な環境破壊,異常気象による大規模災害を至る所で誘発している.その抑止・防止は,今世紀の人類に課せられた喫緊の課題である.情報通信技術(ICT)の高度化を推進しながら,社会経済活動のエネルギー消費の大半を占める電力利用効率の向上と同時に再生可能エネルギーへの転換を実現するイノベーションが科学技術に求められている.情報通信等の社会基盤をベースに日々繰り広げられる社会経済活動は電力資源に依存している.一方,電力エネルギーの安定供給はICTの恩恵により成り立っている.すなわち,電力エネルギーと情報通信サービスの安定供給は,相互依存によって成り立っている.
かかる社会的課題の解決には,情報通信と電力のネットワーク基盤の両者を融合するイノベーションが鍵になると考えられる.しかしながら,このような観点に立った科学技術に対する研究活動はこれまで行われてこなかった.本稿では,電力と情報通信のネットワーク基盤を融合する科学技術の全方位的な探求,学術界と産業界更には官との連携による産業技術・社会技術としての開発・育成への最近の取組みについて紹介するとともに,未来社会のあるべき姿について述べる.
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