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解説
スーパコンピュータ「富岳」4冠達成
Feat of Winning Four Major Benchmarks on Supercomputer Fugaku
A bstract
理化学研究所と富士通で開発を進めているスーパコンピュータ「富岳」が2020年6月,四つの世界主要スパコンランキング(TOP500,HPCG,HPL-AI,Graph500)において世界で初めて同時に1位となり世間の注目を集めた.本稿では富岳システム開発経緯及びシステムの概要を述べたのち,それぞれのベンチマークの特徴と1位になった意義について解説する.
キーワード:スーパコンピュータ「富岳」,TOP500,HPCG,HPL-AI,Graph500
スーパコンピュータ「富岳」は,文部科学省が2014年から進めているフラッグシップ2020プロジェクト(FLAGSHIP2020 Project)における成果物である.本プロジェクトは,①スーパコンピュータ「京」の後継機の開発・整備,及び②開発した後継機を用いて重点的に取り組むべき社会的・科学的課題(重点課題)に向けたアプリケーションの開発から構成されている.富岳は,高いアプリケーション性能(京の100倍),省電力,使いやすさを目標に,アプリケーション開発者とのコデザイン(協調設計)を進めた.
コデザインにおいては,各重点課題実施機関からアプリケーションを選定してもらい,それらターゲットアプリケーションの実行効率を高めるべく,ハードウェア,ソフトウェアの設計を進めた.このように本開発プロジェクトはTOP500などのベンチマークで世界1位を取ることが目標ではなかった.コデザイン手法により重点課題アプリケーションを効率良く実行できるシステムが構築できたからこそ,結果として四つのベンチマークで世界一の性能が達成できた.
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