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移動通信システムの発展と展望
小特集 4.
第4世代移動通信システム:LTE
――モバイルブロードバンド通信の本格化――
LTE: The 4th Generation Mobile Communication System for Mobile Broadband
abstract
本稿では,第4世代(4G)移動通信方式であるLong Term Evolution(LTE)の物理レイヤ技術の概要を述べる.LTEでは,広帯域な共有チャネル上で周波数・時間領域の二次元の動的なスケジューリングを行う直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)ベースの物理チャネル多重法が採用されている.3rd Generation Partnership Project(3GPP)Release 8規格をベースにして,ピークデータレート・システム容量の増大を実現する一層のブロードバンド化,小セルを有効活用するヘテロジニアスネットワークにおけるセル間干渉低減技術,端末間直接通信,IoT規格等,拡張された無線規格が策定されている.
キーワード:モバイルブロードバンド,直交周波数分割多重アクセス,ヘテロジニアスネットワーク,IoT
本稿では,まず,LTEの概要とシステム要求条件を述べる.次に物理チャネル多重法,主な無線アクセス技術を述べる.その後,物理レイヤに特徴的なMultiple-Input Multiple-Output(MIMO)技術,ヘテロジニアスネットワーク技術を述べる.更にLTEをベースにしたInternet of Things(IoT)に特化した無線規格について述べる.
データトラヒックの急増に対応して,音声サービスを含む全てのトラヒックを高効率に伝送できるInternet Protocol(IP)ベースのコアネットワークが導入された.LTEは,IPベースのコアネットワークとの整合性の良い共有チャネルを用いるパケットベースの無線アクセスネットワーク(RAN)であり,音声はVoIPで実現する.
図1に,主なLTE無線規格の高度化と3rd Generation Partnership Project(3GPP)の無線規格との関係を示す.Release(Rel.)8規格でLTEの基本システムが完成し,その後のReleaseで拡張されている(1)~(4).
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