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学生/教養のページ
学生がいきいき学び考える電磁気学[Ⅱ]
――電磁気学教育の現状・問題・将来――
Electromagnetics Education[Ⅱ]: How Can We Realize Deep Understanding at Universities and Colleges
電磁気学は,多くの理系学部のカリキュラムに取り込まれており,専門を学ぶための礎となっている.工学系の学部に限っても様々な学科が存在するが,これらの異なる学科において,それぞれどのような電磁気学の教育が効果的と言えるのだろうか.本稿では,電気・電子系及び機械系学科での電磁気学教育の実践例を紹介する.
(分担執筆:阪本卓也)
東京農工大学の電磁気学は2年次の4月から始まる(1).静電界から電磁波の伝搬までを扱うごく普通の講義であり,年60こまのうち1/3は演習とその解説に充てている.3年次には電磁波工学や通信工学などの専門科目へ移行するため,大学初年次で学習した数学や力学の知識を使って高校物理で習った物語風の電磁気学を精密科学として再教育することが本講義の目的である.また,工学部の電磁気学教育であることを意識し,現象を面白がるのではなく,電磁界の計算や電磁気学の基本原理がどのように実用化されているかの説明にも重きを置いている.しかしながら,入試後1年を経過する頃には,物理と数学が得意であったはずの学生でも電磁気学には大分てこずっている.いつの時代も同じであろうが,本章ではこれを改善する取組みの一端を紹介する.
講義をする上で重要な役割を果たすのが教科書である.本学で使用している教科書は(2),本会誌の図書紹介によると「丁寧な初学者向けの教科書」で(3),著者らの経験から電磁気学が難解である理由を
(a)‘目に見えない’ことによるイメージ形成の困難さ
(b)数式に対する‘拒否反応’
の二つと捉えて,両者を同時に解決できるような工夫が試みられている.
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