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青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島の六つの県で構成される東北支部では,東北ならではのユニークな学会活動を進めています.東北支部で特に注力している学生に向けた取組みの中から,今回は,学生による研究紹介,学生連合会の取組み,大学紹介,小中高生・学生会員に向けた新たな取組みを紹介します.
東北支部では,多くの学生が興味深い研究テーマに取り組んでいます.その中から2019年度電気関係学会東北支部連合大会において本会東北支部学生優秀論文賞を受賞した学生に自身の研究テーマを紹介してもらいました.
私は,CMOSインバーティブルロジックという双方向(入力側と出力側の双方から信号伝搬が可能)な論理ゲートを活用し,ディープラーニング学習のハードウェア実装へ展開する研究を行っています.現在のディープラーニング学習アルゴリズムは,バックプロパゲーションと呼ばれる学習アルゴリズムに従っているため,学習に起因する計算量を通常のCMOSロジックに基づくハードウェアにて低消費電力かつ高速に処理することが極めて困難です.そこで,高効率なハードウェア学習処理の実現のため,従来型の学習アルゴリズムではなく,CMOSインバーティブルロジックによりニューラルネットワークを直接逆伝搬させました.低消費電力性と高速性を兼ね備えたハードウェア実装方法を考察するとともに,FPGAへの実装と有用性を検証しています.
(東北大学電気通信研究所新概念VLSIシステム研究室 シン トッキュ)
私は,手のひら画像から,その手のひらに付随する属性(性別,年齢,肌の色,アクセサリー・ネイルの有無,手の向き等)の推定と個人認証を行う手法について研究を行っています.顔の属性推定を行う畳込みニューラルネットワーク(CNN)を用いた従来手法を基本として,手の属性推定と個人認証に適した手法を検討しました.私の主たる研究テーマは,カメラで撮影した手のひらの画像から特徴を抽出して個人認証を行う非接触掌紋認証です.手のひらから推定可能な属性を考慮することで,掌紋認証の認証性能を向上させることや,認証時にマッチング対象を絞り込み認証速度を向上させることが期待されます.生体認証が様々な場面で用いられるようになってきており,このような研究が今後ますます重要なものとなると考えています.
(東北大学大学院情報科学研究科情報基礎科学専攻 鈴木優聖)
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